純猥談

俺たち、いちばんの最高の親友だよな。

彼と出会ったのは、大学に入学した春のオリエンテーションだった。 わたしと彼の共通点は意外と多く、仲良くなるのに時間は掛からなかった。


彼と出会ったのは、大学に入学した春のオリエンテーションだった。

わたしと彼が近付いたきっかけは、なんの変哲もないものだった。
人見知りゆえに誰とも話すことができず、輪の中に入れずにいるわたしに、彼が声をかけたのだ。

わたしと彼の共通点は意外と多く、仲良くなるのに時間は掛からなかった。


彼には高校時代から付き合っている遠距離の彼女がいた。
彼女のことを話す彼の顔がとても幸せそうで、彼に欲情なんてとてもできなかった。

わたしと彼の関係は何度も噂になった。 そりゃそうだ。

彼の隣で講義を受け、お互い予定がなければ一緒にどちらかの家に帰った。付き合ってないと否定すればするほどわたしたちの関係は疑われたけど、彼はわたしに手を出すことは一切なかった。

「いちばんの、最高の親友」

彼はわたしにも、周囲にもよく言っていた。


夏だというのにしゃぶしゃぶがしたいと言うので、彼の家に行った。今日は電気代なんて気にしないと言うので、エアコンの温度を馬鹿みたいに下げた。

翌日は朝から必修の講義があるから、いつもみたいに同じベッドで寝た。

冷えた部屋のせいで、いつもよりも深く彼の匂いを感じながら、わたしたちは必ず背を向けて、触れ合わないようにしていた。


「彼女に振られそう」

微睡んでいたわたしに、彼の声が響いた。

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誰もが登場人物になったかもしれない、現代の性愛にまつわる誰かの体験談が純猥談として日夜集まってきています。様々な状況に置かれた人たちから寄せられた3000件を超える投稿の中から、編集部が選りすぐった傑作を公開していきます。

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