自分を愛する第一歩は、感情にひたすら寄り添うことかもしれない

ヤバい行動を自白して「やばいでしょ?」と独白しても、ヤバさは変わらない、ということを今回の文章から学べます。連載第27回は精神のブランコが揺り戻されてヤバい時期の蘭ちゃんの番。ヘイヘイ大丈夫か!? 声出していこうぜ! 犬と自罰とマザーリングと大量の水について書かれた本連載は、毎週火曜日更新。残暑の先には秋が来ますね。

サクちゃんへ

こんにちは。お元気ですか?

わたしはここ2,3日、精神的な不調に陥っていたのですが、本日あたり無事戻ってきました。いやー、今回もしんどかったです。

もともとわたしはかなりの頻度でメンタルの調子が悪くなるほうです。
ただ、4月にカウンセリングを始めて以来、それが少しずつ減ってきました。ずっと「今日どんな気分だったか」を書く日記をつけているのですが、春頃はほぼ毎日不調だったのが、ここ最近では2週間に1度くらいになっています。

確実に不調な日は減っているのですが、それでも不調の中に陥ってしまうと、「今までもこれからもずっとこうなのではないか」という気分になってしまいます。「今」だけなのに「過去」も「未来」も全部黒く塗りつぶしちゃうみたいな感じ。

そういうとき、これまでにつけた日記を見ると落ち着きます。大丈夫、笑っている日もあるじゃん、と。まるで山の天気みたいな、秋の空みたいな、わたしの心です。

ー・-・-

今回の不調の間何をしていたのかと言うと、ひたすら犬の動画を観ていました。
子犬がじゃれ合う姿とか、飼い主が帰ってきて喜ぶ姿とか、ぐうぐう腹を出して寝ている姿とか。
ベッドに臥せってそういったものを観ながら、「かわいいな……」などとつぶやきながらひとりで泣いていました(やばいでしょ?)。

今わたしは、猛烈に犬を飼いたいです。
これまでそんな気持ちになったことはほとんどないんですが、最近なぜか飼いたくて仕方ない。でもすぐには飼えないので、動画や写真で我慢しています。

実家で犬を飼っていたので、彼らがかわいいだけじゃないことも承知しています。
粗相したり噛んだり吠えたりすることもあるだろうし、散歩だって行かないといけないですしね。
時々うんざりしたり困らせられたりしつつも、「それでもかわいいんだよなぁ」と思ってしまうのが犬。
役に立とうが立つまいが、そんなこと関係なしに、存在するだけで嬉しい存在です。

「犬を飼いたいし、なんなら犬的な存在になりたい」
動画を観ながら、そんなことを考えていました。

ー・-・-

カウンセリングを受けていて、カウンセラーさんにこんなことを言われたことがあります。
「蘭さんは自罰的ですね」
わたしは自分に対して「もっと頑張るべきだ」「もっと成長すべきだ」とすぐ思ってしまう癖があります。彼女いわく、カウンセリングを受けに来る人にはそういう「真面目な人」が多いのだそうです。他人ではなく自分が変わるべきだと真面目に思っているから、自ら変わるために受けに来る。いいところでもありますが、自分を過度に責めすぎるのも特徴なのだということでした。

カウンセラーさんにおすすめされて意識的にするようになったのが「マザーリング」という手法です。彼女はそれを「あやす」と表現していましたが、たとえば赤ちゃんがお腹が空いて泣いているとき、いきなりミルクをあげるんじゃなくて「お腹空いたね」と声をかけてあげる、その同意・共感を示す行為なのだそうです。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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コメント

MoW_mooo 読んでたらちょっと涙が出そうになった 14日前 replyretweetfavorite

eritty_gv 無駄な焦燥感がほとばしるときに(頓用)…という処方箋みたいな文章。 14日前 replyretweetfavorite