AI活用のビジネスにはまやかしが多い
早稲田大学 ビジネス・ファイナンス研究センター顧問・野口悠紀雄
AIを味方につけるのか、それとも敵に回すのか。その立ち位置を決めることは、自らの仕事や生活の未来を見通すうえで決定的に重要になる。勝ち負けの選別や格差の拡大はこれまでにないほど激しくなる。私はAIを味方につけたい。そのためには、AIが実際は何をどこまでできるのかを知ることが欠かせない。
多くの人はAIが高度なもので自分の仕事や生活には関係ないと判断しがちだが、それは違う。確かにAIによってなくなる仕事はあるだろうが、人間の仕事がすべて奪われるわけではない。たとえば掃除は一見単純だが、AIでは代替できない。同じ紙切れでも、重要なメモなのか紙くずなのかは当人にしかわからないためだ。
過小評価すべきではないが、イメージだけで過大評価するのも問題だ。ちまたではAIを活用した新ビジネスがもてはやされるが、まやかしのようなものも少なくない。フェイスブックやグーグルのように無料でサービスを提供し収集したビッグデータの有無が真贋を見分ける基準となる。
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