米シリコンバレーが人間の働き方を一変させる時代にあって、筆頭に挙げられるのが、米ライドシェア最大手ウーバー・テクノロジーズのデジタル格付けだ。
乗客は、サービスを利用すると、満足度を星1~5つで格付けするようアプリで促される。運転手のプロフィールには、直近最大500回分の格付け平均値が表示される。いわば、アルゴリズムによる「勤務評定」だ。
同社は、運転手を雇用契約に基づかない「個人請負」と見なし、自由な働き方を喧伝する。だが実際は、平均格付けが一定値を下回り続けると、運転手のアカウントは「非アクティブ化」され、アプリの一時使用停止など、実質的な停職や解雇につながることもある。
ニューヨークの「データ・アンド・ソサエティ(データと社会)」研究所で働くアレックス・ローゼンブラット氏は、格付け制度は運転手の行動を監視するための「管理ツール」だ。ウーバーは、星の数次第では「懲戒処分もありうることを、アルゴリズムで運転手に再確認させる」と語る。
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