「ニューメディアやテクノロジーを活用することで世界的な社会課題をいかに解決できるか」というテーマに関し、世界中で議論が行われるカンファレンス、『ソーシャルグッド・サミット』が、今年もニューヨークで9月22日~24日の3日間、開催されました。
今年で4回目を迎えるこのイベントは、東京でも連動イベントを過去2回に渡って実施してきました。昨年の様子は本コラムにおいてもレポートしましたが、回を重ねるごとに国際的な広がり、そして国内での盛り上がりも増してきているように感じます。
より長期的視点を持って社会課題解決に取り組む
今年のテーマは、「2030年のよりよい世界」。より長期的視点を持って社会課題解決に取り組むという意味が込められています。
ツイッターやフェイスブックのハッシュタグ(#2030NOW)を活用することで、世界100ヵ国以上のミートアップにおけるグローバルな会話に参加することができます。
日本では、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所が主催となり、9月24日(火)に東京でミートアップが行われます。私も共催者として参加予定ですが、様々な社会課題解決分野の第1戦で活躍されているリーダーによる登壇・パネルディスカッションが予定されています。以下、テーマとスピーカーの詳細です。
「ソーシャルグッド・サミット2013東京ミートアップ」
★「日本発ソーシャルグッドとテクノロジーのフロンティア〜資金を調達して社会を動かす方法―クラウドファンディングの可能性と実践例」
・梶川拓也氏 一般社団法人ジャスト・ギビング・ジャパン事務局長
・田島沙也加氏 READYFOR チーフキュレーター
・根木佳織氏 公益社団法人Civic Force事務局長
・小笠原舞氏 asobi基地 代表(NPO申請中)/ こども未来プロデューサー
★「仲間を集めて社会を動かす方法―ソーシャルメディアやクラウドの可能性と実践例」
・ハリス鈴木絵美氏 Change.org日本代表
・藤井宏一郎氏 グーグル株式会社執行役員兼公共政策部長
・福島慎之氏 一般社団法人ボランティアプラットフォーム代表理事
・山脇智志氏 株式会社キャスタリア代表取締役
さて、今回はこのソーシャルグッド・サミットのメイン会場であるニューヨークで行われるプログラムの見どころについて、3つのポイントに沿ってご紹介したいと思います。東京で開催されるイベントも、グローバルな文脈を捉えることで、さらに意義深いものになると信じているからです。
①170名を超える多種多様な分野の登壇者
国連総会に合わせたこの時期は、国家指導者、国連機関幹部、ビジネス経営者がニューヨークに集うため、主催メディア媒体のマッシャブルによるソーシャルメディア上の影響力も手伝い、数多くのリーダーが合間を縫って、ソーシャルグッド・サミットに登壇します。
まず170名以上という数の多さに驚きますが、今年の登壇者リストを眺めると多様な視点・分野で活躍している人物・組織の名が伺えます。IT企業のソーシャルグッド担当者、アクティビスト、アーティスト、俳優、社会起業家、ジャーナリスト、学生など幅広いバックグラウンドをもったスピーカーたちです。私が今まで本連載で取り上げたことがある組織のリーダーなども数多く含まれています。そのいくつかを過去の記事へのリンクと併せて、以下にご紹介します。
●Mashable / CEO & Founder:Mr.Pete Cashmore
『毎日6万回「RT」されるソーシャルメディア情報サイト、Mashable(マッシャブル)』
●Catchafire / CEO & Founder : Ms. Rachael Chong
『「プロボノ」とNPOを繋ぐオンラインプラットフォーム、「キャッチアファイヤー」(Catchafire)』
●Change.org / President & COO:Ms. Jennifer Dulski
『世界中で急成長するソーシャル・アクション署名プラットフォーム、Change.org』
●Invisible Children,Inc. / CEO : Mr. Ben Keesey
『史上最大の口コミ動画によるアクティビズム・キャンペーン、「KONY2012」から何を学ぶか』
●World Bank / President : Mr.Jim Yong Kim
『世界銀行が貧困削減のためにソーシャルメディアに力を入れる訳』
●Upworthy / Co-Founder : Mr. Peter Koechley
『開設14ヵ月で月間ユニークユーザー数が3000万! ~史上最速で急成長するバイラル・メディアサイト「Upworthy」の秘密』
●Causes.com / President & CEO : Mr. Matt Mahan
『フェイスブックユーザーの5人に一人が使う寄付プラットフォームアプリ「Causes(コーズ)」』
●Participant Media / Producer : Ms. Elise Pearlstein
『教育問題にメス! 「不都合な真実」監督による新作のユニークなキャンペーン』
ジム・ヨン・キム世界銀行総裁、リチャード・ブランソン氏(バージングループCEO)、メリンダ・ゲイツ氏(ビル&メリンダゲイツ財団共同会長)らも参加し、キーノートスピーカーではなく、キーノート・「リスナー」として、世界中から寄せられた意見・アイディアに対する感想を共有するセッションなども設けられています。
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