日本からマレーシアに来る若い世代と話していると、「周囲に置いていかれないようにしないと」「周りについていけない」と、聞くことがあります。
見ていると、皆さん前途有望なのに、何かに追われているように焦っている。少し不思議になるのです。
でも実は昔は自分もそうだったかもしれません。
私がマレーシアや世界の教育システムに慣れすぎてしまって、感覚がわからなくなってしまったかも。
早く大学に入るのはいいことなのか
こちらにきて気がついたんですが、早く学校に入ったり、飛び級したり、大学に入ることって必ずしもいいことじゃないんですね。
マレーシア式でも英国式でも、中学卒業試験がありますが、これに合格すると、すぐに大学予備過程に行くこともできるんです。日本でいうところの高校と大学の間に当たる感じですが、中高一貫教育で、試験を受ける年齢によっては16歳で高校卒業する人もいます。
数ヶ月から2年のコースまでいろいろある。
日本の受験システムに慣れているときは、「数ヶ月のコースが1番効率が良くていいじゃないか」って思ってました。
ところが、あえて2年のコースを選ぶ人もいます。17歳で大学に行く人もいれば、19歳で大学に行く人もいる。
もちろん学費が高くなるから、親としては短い方が楽なことには違いない。
出口は同じなのにわざわざ、お金と時間をかけて2年のコースを選ぶのは、その2年間に価値があると思ってるからじゃないかな……。
また、あんまり早く大学に入れると、周りと年齢が違いすぎて逆にソーシャライズがうまくいかないと言う人もいます。ギャップイヤーと言って好きなことをしながら、入学を待ってることの方が多いです。
それに、年齢にかかわらず、ある程度自分のペースで学ぶ考え方がある気がするんです。
こういう感覚を経てくると、落ちこぼれるとか、置いていかれるとか、そういう感覚がだんだんよくわからなくなってきます。
同じクラスに2歳の年齢差があることも
日本は小学校から大学まで、直線の徒競走をやってる感じです。
マレーシアでは、全員が違う方向にグループに分かれて走り出していって、中には1人で寄り道してる子もいるんだけれども、それがどこかで集合してる感じです。勝手に山に登っていく人も、海に入ってちゃう人もいる。
小学校ですら、学校によって、選択する教育シラバスによって、入学する年齢がまちまちだったりします。1月始まりの学校もあれば9月始まりの学校もあるので、学校によって年齢と学年が異なるのが当たり前です。
何しろ、5歳で入学する子もいれば、7歳で入学する子もいる。
学校に入る年齢もバラバラならば、途中で学校を変わる人も多いので、「一斉に始める」ってことが少ないのです。
学校では、同じクラスに2歳位の年齢差があるのは当たり前でした。
家庭によっては、早熟だからと早めに学校に入れるところもあれば、逆にゆっくり学ばせたいからと7歳になってから入れたいっていうのもあったりします。最初は宗教学校に入れる家もあります。
また、モンテッソーリのように、違う学年を集めて教育するスタイルの学校もあるんです。
公立学校では、ある程度年齢で区切っているようですが、小学6年生の時に試験があり、結果次第では、1年遅れる子たちが出てきます。
我が家もこちらに来てから、1年遅らせたり、1年早めたりいろいろやってみましたが、結論としては、自分にあったところを選んだほうが効率的だってことに落ち着きました。
子どもの親友が、2歳年上だったことに数年経って気づいたこともあります。誰も年齢を気にしてなかったので、気がつかなかったんです。
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