笑いながら続行を要求
8月19日に放送された『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ系)で、キャスターの安藤優子が、炎天下の中をリポートしていた女性ディレクターが体調不良を申し出たのにもかかわらず、中継を続行させたことに批判が集中した。暑さにやられ、次に伝えるべき言葉が出てこなくなったディレクターが、なんとか振り絞りながら、「暑すぎて、頭がボケーっとしてるんです。ごめんなさい。(スタジオに)お返ししときますね」と告げると、安藤が笑いながら「私、返されたのね?」と述べ、「もう1回、お返ししていいですか」と続行を要求した。
「いつものヤバい感じ」
この酷暑に、酷暑っぷりを伝える映像を毎日のように見る。手元や電光掲示板にある温度計の数値を映しながら、「立っているだけで汗が噴き出てきます!」と興奮気味に伝えてくる。「台風上陸間際の荒れ始めた海岸沿いリポート」や「数年ぶりの大雪で混乱するターミナル駅リポート」と同様に、これもまた、「あらかじめ決められた、ゲットしてくるべき映像」のひとつである。
知り合いのテレビマンに聞くと、台風の場合、たとえ、進路がズレて、ちっとも荒れていない状況であろうとも、ヘルメットを着用することになっているという。先の読めない天候なのに、撮ってくるべき素材は決まっている。「ヤバいかどうか」を伝えるためなのに、あらかじめ「今日はマジでヤバい感じでいくぞ!」と決まっている。すると、「めちゃくちゃヤバい状態」であっても、「いつものヤバい感じ」でやってしまう。このズレが、危うい形で表出してしまったのが今回の出来事なのだろう。
「キュウリ、持ってらっしゃる人いますよね?」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。