安藤優子が強いた「いつもの感じ」

今回取り上げるのは、炎天下で中継していたレポーターとのやりとりが批判されているキャスターの安藤優子。中継を続行させたことに厳しい目が向けられているのですが、本当の問題はそこなのでしょうか? 武田砂鉄さんが考察します。

笑いながら続行を要求

8月19日に放送された『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ系)で、キャスターの安藤優子が、炎天下の中をリポートしていた女性ディレクターが体調不良を申し出たのにもかかわらず、中継を続行させたことに批判が集中した。暑さにやられ、次に伝えるべき言葉が出てこなくなったディレクターが、なんとか振り絞りながら、「暑すぎて、頭がボケーっとしてるんです。ごめんなさい。(スタジオに)お返ししときますね」と告げると、安藤が笑いながら「私、返されたのね?」と述べ、「もう1回、お返ししていいですか」と続行を要求した。

「いつものヤバい感じ」

この酷暑に、酷暑っぷりを伝える映像を毎日のように見る。手元や電光掲示板にある温度計の数値を映しながら、「立っているだけで汗が噴き出てきます!」と興奮気味に伝えてくる。「台風上陸間際の荒れ始めた海岸沿いリポート」や「数年ぶりの大雪で混乱するターミナル駅リポート」と同様に、これもまた、「あらかじめ決められた、ゲットしてくるべき映像」のひとつである。

知り合いのテレビマンに聞くと、台風の場合、たとえ、進路がズレて、ちっとも荒れていない状況であろうとも、ヘルメットを着用することになっているという。先の読めない天候なのに、撮ってくるべき素材は決まっている。「ヤバいかどうか」を伝えるためなのに、あらかじめ「今日はマジでヤバい感じでいくぞ!」と決まっている。すると、「めちゃくちゃヤバい状態」であっても、「いつものヤバい感じ」でやってしまう。このズレが、危うい形で表出してしまったのが今回の出来事なのだろう。

「キュウリ、持ってらっしゃる人いますよね?」
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武田 砂鉄
朝日新聞出版
2020-07-07

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

SunnySunday_333 #スマートニュース 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

die_kuma 安藤優子叩きしていた人ほど読んでほしいね。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

thinktink_jp "知り合いのテレビマンに聞くと、台風の場合、たとえ、進路がズレて、ちっとも荒れていない状況であろうとも、ヘルメットを着用するこ..." https://t.co/BA4fwoRP1e https://t.co/jH23gXirIy #drip_app 約2ヶ月前 replyretweetfavorite