フランスで体験した不妊治療
前回は、なかなか子供ができず苦しんでいる私を、ハッと我に返らせてくれたフランス人医師の言葉を紹介しました。
今回はいよいよ、本格的な妊娠のための治療を、フランスで開始した体験談です。つまり不妊治療なのですが、「不妊」という言葉がどうもネガティブで、治療中の当事者にとってはグサッと刺される鋭さがあるため、以下、「妊娠治療」と記していこうと思います。
まず最初に、妊娠治療にも色々なものがあるのはご存知でしょうか? 妊娠しづらい原因は男女どちらにもありうるし、原因がわからないこともあります。カップルによって状況が違うので、治療方法もさまざまあるようです。ただものすごくざっくり分けると、以下の3つの段階があります。
まず、一番最初にトライされる手軽な治療は、女性の体の周期を見ながら、子どもができやすいタイミングをアドバイスしてもらう「タイミング法」。これでうまくいかなければ、精子を採取して子宮に入れる「人工受精」を試します。これでも難しいとなれば、卵子と精子を採取して、体の外で受精してから受精卵を体にもどす「体外受精」となります。
このように妊娠治療にはさまざまな種類と段階があるのですが、私には「受精卵が着床しづらい」という子宮の問題があったので、ほかのステップはすっとばして、いきなり「体外受精」をすることになりました。
フランスでの妊娠治療は保険負担
こうした治療の種類ややり方には、日本もフランスも大きな違いはなさそうなのですが、なんといっても私が驚いたのは、かかる費用の違いです。
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