新しい貧富のカタチ IT化の波【第8回】

ロボット化が急速に進む今、定型化された労働は減る一方です。レジ打ちもトラックの運転手も要らなくなる近未来、大量の人が余るようになるでしょう。正社員の椅子は更に遠いものとなり、人々は望まない職業に就くのです。そういった人々がどこに吸収されて行くのか、今日はそのことについて考えてみましょう。

 この連載で論じてきた通り、IT革命は仕事を後進国へとシフトさせ、単純労働はロボットの手へと移りつつあります。先進国における人余りは、現在進行形の現実です。

 IT時代に大量に余るもの、それは「情報」と「人間」です。未来を占うヒントは、この「余りもの」にあります。まずは歴史を紐解いて、人類がどんなふうに余りものを活用してきたのか振り返ってみましょう。

余剰なリソースの「消費は美徳」
 安いリソースを大量に使う。これが人類のこれまで辿ってきた歴史です。例えば産業革命以前は、人余りの時代でした。支配者や金持ちたちは奴隷や召使いを大量に抱え、現代の家電製品さながら、身の回りのことを人間という「息をする道具」たちにやらせていたのです。そんな時代が長く続きました。権力者たちは奴隷たちを駆使して巨大な神殿やピラミッドなどを建築し、人権などという言葉は存在しませんでした。日本でも豪商たちが丁稚奉公を大勢抱え、食事の支度から清掃に至るまですべてを賄ったのです。

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IT時代の未来〜それはユートピアかディストピアか?

松井博

現在、IT革命によって世の中の仕組みが急速に変わりつつあります。産業、政治、就労、コミュニケーション…… 影響を受けない分野はありません。未来はどうなっていくのか、こうした時代が私たちにどんな選択を迫ってくるのか、元アップル管理職の松...もっと読む

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コメント

byusjp "今起きていることは、1900年代の娯楽産業の勃興が更に大規模になったものです。Youtubeな..." via @yuji_blfd https://t.co/nEXE7PlZYH https://t.co/HAWOYjJz7l #highlite 7ヶ月前 replyretweetfavorite

pishiki3 21世紀が終わる頃には人間が行っていた労働を機械が代替してくれる世が来るのだろう。端境期は地獄だが。 7ヶ月前 replyretweetfavorite

yuji_blfd 自分が得意とする本業に集中し、家事を思い切って外注に任せたほうが理に叶っています。 7ヶ月前 replyretweetfavorite

yuji_blfd "庶民が金持ちに仕える時代が再びやってきます。能がある人はクリエイティブな仕事に従事し、シッカリとお金を稼ぎ、こういった家事代..." https://t.co/gXfWfKE8CS https://t.co/RdsPOiD8Yd #highlite 7ヶ月前 replyretweetfavorite