草刈正雄は飛行機が苦手

今回武田砂鉄さんが取り上げるのは、NHKの大河ドラマや朝ドラ、人気バラエティ番組への出演など、テレビの中で幅広く活躍している俳優の草刈正雄。今年芸能生活50周年を迎えたベテラン俳優の言葉から、現代のテレビを考察します。

生まれ変わるならイルカか草刈か

中学時代、暗唱できるほどに繰り返し熟読していた古谷実『行け!稲中卓球部』に、生まれ変わるならイルカか草刈正雄かのいずれかに決まっていると、一同が騒ぎ立てる場面があり、それ以降、自分にとって草刈正雄が特別な存在であり続けている。旅番組でイルカショーの模様を見かければ、当然、草刈正雄の存在がチラつく。彼の演技を継続的に追いかけてきたわけではないが、時折出くわせば、その映像に向けて、「生まれ変わるならイルカか草刈か」とつぶやく。

『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に出演、かつて舞台で共演していたイモトアヤコが「草刈さーん!」と叫んでいたのに応じる形で、「イモトー!」と叫び返す様子が話題になった。大の飛行機嫌いである草刈が南アフリカ共和国やルワンダなどに連れ回されるのがなかなか愉快なのだが、よくよく考えれば、「連れ回されるだけで面白い」って、相当屈強なイメージを持っていることの証左でもある。四半世紀近く前、イルカか草刈か、という選択肢になぜか興奮させられた強いイメージをそのまま保持している。

家でメザシを食べながら台詞
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武田 砂鉄
朝日新聞出版
2020-07-07

この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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