山内宏泰
六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト——旬のアートが背負う時代と社会の最先端
東京の中心地にそびえる六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館。都内最大級の展示スペースを持ち、日々さまざまな展示が催されています。現在開催中の現代アートの展示「アウト・オブ・ダウト」(疑いの外へ)は、3年に一度の周期で開かれているグループ展。赤瀬川原平の風刺画をはじめ、会場に並ぶのは、そのビジュアルを鑑賞するだけでもすばらしい作品ばかりです。ですが、それだけでなく、風間サチコの版画や金氏徹平の彫刻など、時代や社会を映す「鏡」としての役割を強く果たす作品も数多くありました。“アート・コンシェルジュ”が今あなたにおすすめしたい最新の作品展をご紹介するアート連載です。
今回ご案内したいのは、六本木ヒルズ森タワー最上階にある森美術館での、「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト」です。
都内最大級の展示スペースを持つ同館全体を使って、日本の現代アーティスト29組による大規模グループ展が繰り広げられています。
じつは「六本木クロッシング」と題したグループ展は、2004年以来、3年に1度の周期で開かれています。いま、アートの世界では何が起きているか。そんな問いに応えていこうとの試みを継続しているのです。会場には毎回、これぞ「旬」と呼べる作品が並び、文字通りアートの最先端を知ることができます。
今回もこれまで同様、2013年のいま観るべき作品がそろいました。ただ、多数のアーティストをまとめて紹介するにあたっては、何か共通のテーマがなければ収まりづらい。そこで、くくりとして設定されたのが、「アウト・オブ・ダウト」という言葉です。
直訳すれば「疑いの外へ」といったところですね。意味するところは、次のようなことのようです。
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この連載について
山内宏泰
世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む
著者プロフィール
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)『写真のフクシュウ 森山大道の言葉』(パイインターナショナル)『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)『写真のプロフェッショナル』(パイ インターナショナル)『G12 トーキョートップギャラリー』(東京地図出版)『彼女たち』(ぺりかん社)など。東京・代官山で毎月第一金曜日、写真について語るイベント「写真を読む夜」を開催中。東京・原宿のスペースvacantを中心に、日本写真を捉え直す「provoke project」開催中。
公式サイト:http://yamauchihiroyasu.jp/