圧倒的に正しいから怒鳴る
たまに「フリーランスになってよかったことはありますか?」と聞かれ、その都度答えることは違うのだが、ついこの間、「怒鳴っている場面に出くわすことが少なくなった……ですかね」と答えたのは、『半沢直樹』を見ているからかもしれない。突発的に大声を出す人がとても苦手なのだが、あのドラマで大声を出す人は、あらかじめ「私、これから大声を出します」という表情を見せる。顔で事前告知すると、多少は大声を受け止める覚悟ができるってことをあのドラマから教わっている。だが、日常生活というか会社員生活では、事前告知することなく突然怒鳴り始める人がいたものだから、大きなストレスになった。
フリーランスになると、「うわ、なんか、いきなり怒鳴ってる」「あの人、怒鳴られてる」に遭遇する機会がめっきり減る。偉い人が偉くない人を叱りつけている光景って、起きている事象としてただただシンプルなので、その怒声が正当化され、その正当化にうなだれていたのが懐かしい。怒るほうは、愛情の裏返しで怒っている、などとほのめかしたりするが、極めて冷静に分析すれば、「怒鳴れるほどこっちが圧倒的に正しいから怒鳴ってみた」が大半だった。瞬間湯沸かし器的な人もいたが、瞬間で湯を沸かす前に、今は沸かしちゃって問題なし、とそれなりに選別している感じがあった。くだらないセンスだなぁ、と思っていた。
「たぶん、話はこうだ」とか言う
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