大阪酒日記3 十三~大阪城公園~心斎橋~神戸~中津

東京で生まれ育ち、数年前に大阪に転居したライターのスズキナオさんが、大阪をはじめとする味わい深く個性豊かな酒場の数々や酒にまつわるエピソードなどを通じて関西の土地や文化と出会う。『深夜高速バスに100回くらい乗ってわかったこと』も話題の”ウェブライターの真打ち”が満を持して「酒と関西」に向き合います! 今回も酒日記。前回の京都に続き、今回は神戸も登場(毎週水曜・土曜更新)

ある日。

今度シカクで展示イベントを開催してくれることになったマンガ家のR先生と昼過ぎに十三駅前で合流。展示の打ち合わせを兼ねて軽く飲む予定である。シカクの副店長・Tさんも来る。十三駅周辺には昼から開いている居酒屋がいくらでもあって素晴らしい。駅前を少し歩いてまずは「十三屋」へ。ビシッと筋の通った大衆酒場という感じ。どのつまみも安くてうまくて、紛れもない名店。混んでいることが多いけど、今日はちょうどよく席が空いていてよかった。

 「十三屋」を出て「イマナカ」で立ち飲み。ここも好きで何度も来ているが、「十三屋」の“正統派”という感じとはまた全然違って、ごちゃごちゃした角打ちである。入店時は空いていたのに、いつの間にか大賑わい。この店に来るとだいたい四方八方からおっちゃんに話しかけられる。一人のおっちゃんの話を聞いているうちに別のおっちゃんが話しかけてくる。で、そこにまた別のおっちゃんが「ほらほら、若い人が珍しいいうて絡んだらあかん!〇〇さんの顔見たら来てくれへんようになるで!強盗みたいな顔して」「がはは!誰が強盗やねん!強盗やったらもっとええ店で飲んどるわ」みたいな感じで状況が混沌としてわけがわからなくなり、でもそのお祭りみたいなノリが好きである。

 雑然とした店内の一角に映画のDVDがずらっと並んだ棚があり、店長に申請すれば無料で一週間レンタルできるという。映画好きの常連さんがどんどん持ってきて増えていったものだとか。ラズ先生はこの後の新幹線で東京へ帰るそうで、18時頃に解散。

 残ったTさんと二人で中津に引き返し、ずっと気になっていた「けいちゃん」という立ち飲み屋で飲む。中津を牛耳っているらしき町会長のおっちゃんが飲んでいて、さらにその人は「いこい」の大将と大の仲良しらしく、なんだか一気に中津の酒マップが広がったような気がした。常連さんたちと色々話して楽しいひととき。

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関西酒場のろのろ日記

スズキナオ

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