だから又吉は愛される(最終回)

いよいよ最終回! 今回は又吉さんから、なによりも難しい“文章で人を笑わせる方法”について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

又吉のかぶせ力


ギャップがありすぎて、吹き出してしまう!


笑える文章を書ける人は、うらやましい。
くすっと笑っちゃったら、もっと続きが読みたくなるし、げらげら笑っちゃったら、書き手のことを絶対好きになっちゃうよ! 
けどそのぶん、文章で人を笑わせることは難しい。
文字を並べるだけで、どーしたら「おかしさ」を生み出すことができるのか、見当がつかない。

しかしそれでも挑戦したい! 
というわけで、この方から勉強してみました。
言葉でも文字でも面白い、笑いの天才、又吉直樹さん。

又吉さんの文章が面白いのは、もちろんお笑い芸人としてのスキルによるものもあるでしょう。
でもそれ以上に、文章のテンションが絶妙なんです。
なにが絶妙って、笑わせるぞ! という気合を「まったく見せない」ところ。

基本的に、ひとりでぼそぼそ喋っているようなテンション。
読み手のことを意識しているのかどうかすらわからない。
でも、そのひとりごとをのぞき見する私たちは、笑いをこらえることができない。
笑わせようとしていないのに、笑ってしまう。

例文を見てください。
これは又吉さんが、太宰治の短編小説『親友交歓』を紹介する文章の一部です。
彼は太宰治の大ファンなのだけど、ここではファンになった経緯を述べています。

で、例文は、ただの「私が太宰治を好きになった理由」を真面目に語るところです。
なのに私、吹き出してしまいました、ほんとに。
ポイントはもちろん、ここです。


〉「ファーストキスが太宰の命日」
  大人気のアイドルがリリースしても絶対に売れない曲のタイトル。



この文章のすごさをちょっと説明させてください。

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こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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コメント

usa5bake 読んでてどれもわかりやすくて好きだった。最終回も納得の面白さ。静かにおわってしまった夏みたい。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite

ksk28 いよいよ最終回。又吉さんです。話術と文章は同じじゃない。どっちでも笑いを取れるすごさ 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

sikisato0501 ちょこちょこ読んでいた連載だったので、最終回は淋しいけど、ラストが又吉直樹というのは絶妙で良いなぁ。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

tweet_suruhou 最終回ってのに惹かれて読んだけどもっと前から読んでればと思った https://t.co/bfX9rY0E1n 約2ヶ月前 replyretweetfavorite