人のビジネス書を笑うな

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は「うまいビジネス書の書き方」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

ビジネス書の隠喩力


ああ、そういう風に置き換えてもらえると理解しやすい!


例文は『ホモデウス』という主にビジネスマン向けの本から抜粋したもの。
前作(『サピエンス全史』)から続き、この本も人気になった理由は、内容の面白さだけではなく、著者の「文章表現のうまさ」にもあると思います。
特に、ここで使われている「巫女」「代理人」「君主」というメタファーは、ほんとに秀逸です。

まず、グーグルやフェイスブック、あるいはカーナビなどのアルゴリズムは、私たちに「こういう行動をとったほうがうまくいくんじゃないですか?」と提案してくれる「巫女」のような役割を担っている、と言います。
さらに、あなたがそれを「巫女」として信用するようになれば、それは次に、目的さえ伝えれば、あとはその目的に向かって勝手に行動してくれる「代理人」となる。
ユーザーから数えきれないほどのデータを収集し続けているアルゴリズムは、やがて途方もない力をもつようになる。あなたよりも「知る」ようになる。
するともう、あなたの欲求を先回りして、あなたを操作する側に回って、決定を下しはじめるかもしれない。
というわけで、みんなが同じ「巫女」を利用し、信頼すれば、それは「君主」になる可能性があるんだと。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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コメント

thinktink_jp "たしかに「グーグルやフェイスブックはあなたに個人的なアドバイスをよこす存在から、みんなの行動全体を操作する存在へ変わるのだ」..." https://t.co/FFec0VZXSl https://t.co/g3ci8rjDa5 #drip_app 18日前 replyretweetfavorite

m3_myk cakes更新されました! 今回はビジネス書とメタファーの関係について。 編集者さんがつけてくれるタイトルが芯を射抜いててすごいです。 19日前 replyretweetfavorite