あなたはなぜ武田鉄矢が嫌いなのか?

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回はナンシー関さんが紡ぐ、「繊細な毒」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

ナンシー関の警告力

ああ私ぼーっとしてた。気づかせてくれてありがとう。


批判という毒をあえてネットの海に流すなら、「みんな」を意識できるようになってからだ! と自分をしばしば戒めています。
中には「批判で注目を集める」というスタイルのご意見番もいますが、なかなか私のような素人が真似できることではありません。
批判で人気になれば、また批判を求められるようになり、なかなか大変そうです。

そうはいっても、「良くない」「面白くない」と思う物事に対して、なにか意見を言いたくなるときはありますよね。
みんなが同調している中に、「反対意見を放り込んでみたい」という天の邪鬼な欲求が生まれることもあるかもしれない。

でも、個人を否定したり、傷つけたりせずに、自分の“違和感”を表現する方法なんてあるんでしょうか。 そんなことを考えていたとき、この一文からヒントを見つけました。


〉武田鉄矢が人気者であると思うたび、私は日本という国が嫌になる。武田鉄矢を受け入れるというのが日本人の国民性だとするなら、私は日本人をやめたくなる。



ナンシー関さんの毒舌は、そこらの批判とは格が違う。
この文章のポイントは「私は武田鉄矢が嫌いだ」と主張しているわけではなく、「私は武田鉄矢を受け入れる国民性が嫌いだ」と主張しているところ。
ここだけ読むと、単なる悪口に見えてしまいそうですが、ナンシーさんの批評にはちゃんとした計算があります。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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