意外と知らない「最後の一文」の書き方

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は岡本かの子さんの文章から気づいた、「余韻を残す文章の特徴」について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』から特別収録。

岡本かの子の言い残し力


文章が一枚の写真になって、心に残る。


いい文章ってなんだろう。
もちろん、つかみやリズムや読みやすさも大事でしょう。
だけど究極を言ってしまえば、文章なんて「読後感」さえ良ければ、なんだっていいんじゃないかと思っています。

「また会いたい」と思ってもらえる人になれればいいように、「また読みたい」と思ってもらえる文章が書ければいい。読んでくれた人に、気持ちよく読み終わってほしい。
そのためにはどうすればいいのでしょうか。

同じ人でも、その日の髪型や服装によって相手に与える印象を変えることができます。
そのために必要なのは、「相手にどんな印象を持ってほしいか?」という想像です。
文章も同じように、「どんな読後感を持ってほしいか?」を想像することによって、読み手に与える「読後感」をコントロールすることができます。


〈そして涙ぐみつつふたり茶をのむ夜ふけ―外にはかすかな木枯らしの風。〉

という一文でしめくくられるこの文章は、直前までこどもと暮らした思い出が書き連ねてられています。
だとすると、最後の一文には、普通だったら(少なくとも私だったら)、「私はいまでもたまに、あの日々を思い出すのだ」という雰囲気の、結論めいたしめくくりをしたくなるものです。

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文芸オタク女子の バズる文章教室

三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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コメント

maya_maya_ko 説明しすぎない、読んだ人の想像の余地を残す終わり方って素敵だなぁと思う😊 https://t.co/OsIAAAtOlF 26日前 replyretweetfavorite