「魚力」ファミリーは全員“キャラ立ち”してます
1本、道を入れば高級住宅が 立ち並ぶ渋谷・神山町の一角で、鮮魚店と定食屋&居酒屋を営む「魚力」。その歴史はなんと明治38年にまでさかのぼります。鮮魚店「魚力」は、初代・鈴木力造さんが大森海岸に創業。実は魚屋になりたくなかった(!)という2代目・安造さんの時代に青山へ移り、昭和22年現在の場所へ。昭和48年に3代目の力さんが店を受け継ぎ、定食屋&居酒屋を始めたのは昭和60年8月のことでした。
「魚力」の魅力は何と言っても、力さんを大黒柱に5人の家族で経営していること。みなさん、とにかくキャラが立ってます! 実は、「魚力」が定食屋となったのは、パワフルでアイディアウーマンな女将・佳子さんの発案によるもの。
佳子さんは「これだけ美味しい魚がそろっているんだから、あとはご飯 とお味噌汁があればいいじゃない!」と思い立ち、改築の際、家族には半ば秘密でカウンターを設置。力さんは「賄い飯を食べるスペースだと思っていた」そうで...。そんな女将さんの計画が大成功し、定食を始めるや毎日長蛇の列ができたのだとか。
毎年9月15日頃に開催される神山町のお祭りには家族総出で参加。御神輿を担ぎ、海鮮ちらし寿司を振る舞います。1カ月前にもなると全員がソワソワしだすお祭り大好き一家なので、「本当の魚力を見たいならお祭りの日においで」とのこと
現在中心となってお店を切り盛りするのは、一見コワ面だけどフレンドリーで笑顔が素敵な、徳久さん(兄)と安久さん(弟)の“名物兄弟”。幼少の頃、女将さんからサンマの塩焼きを丸ごと1尾出され「どんなに下手でもいいから、骨だけになるまで全部食べてみなさい」との英才教育を受けた、魚屋界のサラブレッドでもあります。
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