夢」を連呼するEXILEの公共性

今回は、6年ぶり2度目となるEXILEを取り上げます。昨年末、EXILEにまつわる予言をしていた武田砂鉄さん、それが実現したことである危機感を抱いたようです。

「腹筋を割りたいか、別にどうでもいいか。」

もう6年以上も前に、EXILEについて、「暴力団」から「暴力」を引くと「団」になる、その「団」に史上最大の厚みを持たせるのが、彼らが口を揃えて言う「最高のエンタテインメントの追求」なのだと書いたことがある。その考えは、今も変わらない。もはやあの集団はコワモテの集団ではない。だが、なにかと横一列になっている映像や写真を見つけると、どこかの地下通路で遭遇したら、直ちに振り返り、力の限りで走って逃げるだろうとは思う。暴力が付随しない団だが、団に相当な圧が保たれている。

彼らはとにかく「夢」を連呼する。なぜ連呼するのか。EXILE HIRO著『ビビリ』に「夢を語っているうちに、夢の内容は具体的に、詳細になっていく。語れば語るほど、実現しないわけにはいかなくなる」とある。彼は、夢を持つだけではなく、それを実現することを求める。本書でも太字で記されているが、彼の口癖は「要は、やるかやらないか」。その一文に続くのは、「腹筋を割りたいか、別にどうでもいいか。身も蓋もない話だけれど、それが現実だ」である。身も蓋もない話だ。腹筋を割りたいか割りたくないかで物事を考えたことがないので、思わず笑い転げてしまい、腹筋が割れそうになったのだが、本来であれば距離のある「夢」と「やる」を、筋力でドッキングさせるのが彼らの「団」の作法である。

自分にフィットした夢
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武田 砂鉄
朝日新聞出版
2020-07-07

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武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

bata_tana #スマートニュース 2ヶ月前 replyretweetfavorite

saba_tobiuo なるほどそんな感じになってますか。この界隈じゃあんま聞かへんけどな。そなんや。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

okome_saikyou この人こんな人だったのかよ。急に某スポーツ選手をコケにした某映画監督と一緒じゃん。 https://t.co/lk0ESP29kU 2ヶ月前 replyretweetfavorite

camei https://t.co/NAnE1WNP5a このコラムのことです。武田さんは「LDHは全体主義だ」とは言ってないし「必ず夢を持て、そして叶えろと追い立てられるのが問題だ」とも言ってないのでは 2ヶ月前 replyretweetfavorite