新羅との衝突。蝦夷の叛乱とタミチの活躍
仁徳五十三年、新羅が朝貢しませんでした。
五月、上毛野君(かみつけののきみ)の祖・タカハセ(竹葉瀬)を派遣して、朝貢しない理由を問わせました。
この途中で、白い鹿※1を獲りました。
それで引き返して天皇に献上し、日を改めて出かけて行きました。しばらくして、重ねてタカハセの弟・タミチ(田道)を派遣し、
「もし新羅が抵抗すれば、挙兵して撃て」
と詔して、精兵を与えました。
新羅は、兵を起こして抵抗しました。
新羅の人は、毎日挑み戦いました。タミチは、要塞を固めて撃って出ませんでした。
そのとき、新羅の兵士が一人、営の外に出て来たのを、すぐに捕まえて相手の状況を問うと、
「力の強い者がいて、モモツキ(百衝)※2といい、敏捷で勇猛です。常に軍の右の前方にいますから、よく見て左を攻撃すれば敗れるでしょう」
と言いました。
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