コロナで見えなくなった人々、見えてきた差別

混乱に見舞われた、この春。全国で、人々が戦々恐々としながらステイホームをしていたことと思います。そんなとき、見えなくなった人々がいました。そして、改めて見えてきた差別がありました。

夫は、癌が急速に進行したとき「癌さんよ。もう少しゆっくり生きようや。僕が滅びたらあなたも死んでしまいます。嫁さんよ。あんまり悲しみすぎないで。私が代わりになればよかったのにという考え方はまちがってます。癌細胞やウィルスは人を選びません。これは僕に降ってきた。あえていうなら僕は少し……運が悪かった」と、言葉を残した。

ウィルスは人を選ばへんのか…なら、かかってしまった人のことを、どう思えばいいかな?

これも人間に課せられたウィルスからの挑戦である気がする。

恥ずかしいのだけど感染拡大当初は中国語が聞こえると、心がざわついた。差別している自分を知ると同時に、心無い言葉にも出会った。マスクをしていなかったお口からは漏れなかった「きもー」「きっしょー」「なにあれ」の声がすれ違いざまに聞こえてきた。結構立て続けに起きたので、私は泣いた。「7歳の頃は耐えられたことも57歳?ではきつかったんや。おかん、泣くなよー」と息子には大笑いされたが。

考えてみたら、コロナ前から障害者はリアルに登場してはいけない存在だったのかな。

バンデミックやロックダウンという言葉は強烈で、本当は何が起きていて誰がどんなふうに困っているかを隠してしまう。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

「障害マストゴーオン!」が本になりました。連載からさらにパワーアップした、魂込もった千夏節、ぜひお読みください。

障害マストゴーオン!

福本 千夏
イースト・プレス
2019-12-07

この連載について

初回を読む
障害マストゴーオン!

福本千夏

脳性まひ者の福本千夏さん。 50歳にして就職して、さまざまな健常者と関わる中で、感じた溝を語ります。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

kamiiwa823 #スマートニュース 3ヶ月前 replyretweetfavorite

delilah_nya “ウィルスは人を選ばへんのか…なら、かかってしまった人のことを、どう思えばいいかな?” ここ、疑問を持ったり悩むことがまず大切なんだなあ。 3ヶ月前 replyretweetfavorite

AU_8379 #スマートニュース 3ヶ月前 replyretweetfavorite