前回までのコラムを復習しますと、つまり海外に行って現地に馴染みやすい人というのは、異なる土地に行けば人間関係の前提とするものが全く異なるんだということを理解している人、ということになります。
日本の縦社会原理主義教というのはあくまであの地域で通用する関係性であって、他のところに行くと通用しない、と分かっている人ですね。
本で読んだりして理屈で納得する人もいるのですが、これがなかなか、本当に理解するというのは難しい。
特に日本にずっと住んでいた場合、頭の中にある前提以外の価値観がないわけで、新しい土地で新たに学び直さなければならない。学び直すには、現地の文化なり言語なりの理解が重要なので、それが不十分だと消化不良を起こしやすい、というわけです。海外に出て友達ができない、相手を怒らせてしまった、という人の中には、人間関係に関わる現地の文化なり前提条件なり、言語なりの理解が不十分ということが往々にしてあります。
日本式の縦社会原理主義教の前提で相手に接するので、「わけのわからない奴だ」とか「随分失礼な奴だ」と思われてしまうことがあるわけです。失敗がトラウマになってしまうと、日本社会に閉じこもってしまう、ということも往々にしてあります。
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