蘭ちゃんへ
こんにちは!
在宅勤務があたり前という仕事のやり方に、最近ようやく慣れてきました。慣れたと思ったら、世間はだんだん外に出て人と会う仕事のやり方がまた戻ってきています。世の中の動きになかなか追いつかず、自分のどんくささを感じています。
そう、雑談をオンラインでやりはじめたのも、6月に入ってからです(遅い)。カフェで対面で雑談するのと、画面越しにするのとでは「同じことができます」とは言えないよな、何がちがうのかな、できるのかな?とグズグズ考えていたら、時間が経ってしまいました。
実際にオンラインで雑談をはじめてみたら、まったく問題なく楽しくできているのですが、会って話すのとは別物だなと感じています。対面とオンラインでは出てくるものがちがうだろうなと。「対面だったらちがうものが出てきたかもしれないな」というのは、もしも話でしかないので比べることはできないのだけど。オンラインで明確に何かができないわけではなく、その場の空気や音や匂いや温度などのいろいろが、会話に影響があるのはたしかなので、対面とオンラインが「同じ」なわけがない、と思っています。
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では、その「雑談」を、この前書いた「やりたいこと」の4つの要素に当てはめてみるね。
・自分がよろこぶこと(単純な欲)
→人と話したい、いろんな考えや経験を知りたい、役に立ちたい(自分のことを話す場をつくることと、誰かがわたしの考え方を使って少しでもよくなること)
・もともと持っている性格や性質
→おしゃべり、おせっかい、ニコニコしている、自分と他人を切り離せる(人の話を自分のものにしない、感情をもらわない)、緊張しない
・できること
→話をちゃんと聞く、相手に興味をもつ、感情や考えを言語化する、自分とちがうものを否定しない、ほんとうにそうかな?と疑問をもって多角度から物事を見る
・時間やお金の使い方
→働くのは昼間だけ(夜は働かない)、好きな時間に働く、少ない時間でちゃんと稼ぐ、生活費や学費のために収入は必須(シングルマザーなので)
という感じかな。
前にも書いたように、わたしは今まで「時間とお金の使い方」の制限がありすぎて「できること」だけを重視して、やることを決めてきました。
「自分がよろこぶこと」が足りないと、どうなるかというと、気がつくとつい「できるけど、やりたくないこと」をしてしまいます。とほほです。
その頃に比べたら、バランスが取れて「ほんとうはこうしたいけどできない」と思うことは減ってきました。
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雑談企画には、就職活動中の大学生が参加してくれることがあります。その子たちと話していると、上記の4つの要素をほとんど無視して、「選ばれるため」だけの要素を自分の中から無理やり出そうとして、それを自分を分析したことにしてしまうのはよくないな、と思います。
とはいえ、まだ社会人としての「できること」がないし、社会の中で何をしたら自分がよろこぶか経験もないので、選ぶのがなかなか難しいのもたしかです。
だから、「できること」のハードルを「早起きができる」レベルまで下げたり、「自分がよろこぶこと」も「美味しいパンを食べたい」レベルまで解像度を上げたりして、とにかくたくさん書いてみる必要があるのだろうなと思います。就活中だけでなく、まだ自分をよく知らない人はみんな。
と、今ではそんなことを言っているけど、わたしも社会に出てすぐはひどいものでした。「時間とお金の使い方」だけで考えて「お金をもらうために時間をいくらでも差し出して、お金をもらうのだから嫌なことをするのは当たり前」と思っていました。「自分を知る」の真逆で、「自分を消す」をしないといけないと思い込んでいたのです。
まさか自分がよろこぶことをしてもいいとは思ってもみなかったし、友達と遊ぶこと以外に楽しいことも知りませんでした。だからこの4つの要素の話を、18歳くらいで知りたかったなー、と自分でも思います。
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・自分がよろこぶこと→自覚するもの
・自分の性格や性質→変わらないオリジナルのもの
・できること→どんどん増やせるもの
・時間とお金の使い方→年齢を重ねると環境で変化するもの
「自分について知る」ときに、この4つをごっちゃにせずに分けて、そのあとで組み合わせて合う仕事が何かを考えるといいのだと思います。(今ふと思ったのだけど、これ、仕事でやりたいことだけじゃなくて、結婚するときに家庭に求めるものをお互いに知るために、相手と出し合うのもいいかもしれないね!)
4つの要素で「自分を知る」のが大事なのは、誰かのマネをしても、誰かの期待に応えるだけでもダメで、結局は自分を知ることでしかわからないことがたくさんあるからです。
世の中のほとんどが、仕事も人間関係も、マッチングがうまくいくかどうかだと思うので、マッチする、フィットするためには、まずは自分を知らないといけないよね。
蘭ちゃんの前回の日記で「サクちゃんは自信がありますか?」と聞いてくれたけど、わたしは自信はぜんぜんないのです。
でも、自信のなさは、自分を知ることでカバーできると思っています。
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