第14回】98円に喜び、103円に違和感 心理で判断する“人間の不合理”

経済ほど人間の心理が関係しているものはない。代表的な行動経済学を紹介するとともに、消費税増税時の消費者心理、金融商品と投資家心理の関係などを紹介する。

 消費税率が8%、10%と段階的にアップすることがほぼ確実視される中、店頭やチラシで定番の「98円」や「980円」といった価格は改定されるのだろうか。

 これらは心理学で「大台割れ価格効果」または「端数価格効果」と呼ばれる効果を狙った価格だ。

 実際に、2円や20円という価格差以上に消費者は「安い」と感じて売れ行きが伸びるため、あらゆる商品で設定されている。住宅でさえ「2980万円」といった大台割れ価格を設定している。

消費税の総額表示制度導入時、企業は大台割れ価格を維持するため実質値下げを行った。Photo:PANA
 

 こうした効果が捨て難かったため、1997年に消費税率が3%から5%にアップした際や、2004年に総額表示が義務付けられた際も、大台割れ価格を維持しようと多くの企業が価格転嫁を見送り、実質値下げを迫られた。だが今後は消費税率が大幅にアップするため、企業がそれを吸収することは容易ではない。

 しかし、仮に10%になった消費税分をそのまま転嫁すると、新価格は「103円」「1027円」などの大台を突破した違和感のある価格となってしまう。どうしたらいいのだろうか。

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