なで肩男子の巻

バンドマンなのに革ジャンが似合わない、ロックバンドのボーカリストなのに肩書以外過剰なところがひとつもない……カッコつけてると思われたくなくてカッコつけられない! 自意識と憧れの狭間で叫ぶ! 2020年5月下旬発売、ロックバンド・フラワーカンパニーズ鈴木圭介の自意識爆発エッセイ集『深夜ポンコツ』から傑作コラムを特別公開!「たとえ今が冬だったとしても、季節は巡る。春はまた来るのだ!」

なで肩。それは、男として致命傷である。肩幅は男のしるし。それがなでているんである。ダメだ。その時点で負けだ。男として。

本当は、俺も革ジャンとか着たかった。Wの革ジャンに、スリムのジーパン。靴はもちろんドクターマーチン。首にはチェーンのネックレス。髪の毛は金髪でスパイキーヘア。そう、いわゆるパンク・ファッション。したかった。本当は、俺も……。

 でも無理なの。だって、なで肩だもの。パンク・ファッションに一番欠かせないWの革ジャンが、何度着ても決まらないの。若い頃、何度も試着したの。でも、一度も決まったためしはなかったの。革ジャンを着ているというより、革ジャンに着られているの。完全に負けているの。Wの革ジャンに。七五三。もしくは初めてのスーツ。そこに初々しさはあっても、荒々しさがないの。新入社員なら、それでもいいかもね。でも、私がなりたかったのは、パンクス。パンクスが初々しくて、どうするの?なめられるだけ。なめられたくないがためにパンク・ファッションをするのに。昨日なりたてです!なんてパンクスは、完全に失格よ。パンクスは、生まれた時からパンクっていう顔をしてこそなの。

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深夜ポンコツ

鈴木圭介
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2020-06-08

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