サービスマンは「話し上手」ではない
「せっかくデートに誘ったのに、目の前の料理の話ばかりで話が膨らまない」
「僕は楽しく話せたはずなのに、次のお誘いをしても断られてしまった」
「家で二人で過ごしていても、最近どうも会話が盛り上がらない」
会話というのは一番シンプルなコミュニケーションだけに、うまくできる人とできない人の差がとても出るものだと思います。
テレビを見ていても、お笑い芸人がモデルや大女優と結婚したりするたびに、「話がおもしろい人はモテる」と言われたりしますよね。実際、場の雰囲気をつくってしまうくらい話すのが上手な人というのは、異性から見て魅力的に見えるのだと思います。
では、レストランのサービスマンはどうなのでしょう。ときおり、会話がとても上手な人がいたりします。それこそ店の雰囲気を明るく変えてしまうくらいに。
しかし、どちらかというとレストランのサービスには、会話のうまさはそれほど求められません。なぜなら、レストランで大切なのは来店したお客様の会話が弾むことであって、サービスマンが会話の中心になることではないからです。デートで来たお二人が楽しく話せるのが一番です。
だから積極的に会話に入ることはありませんが、それでもサービスマンはお客様と仲良くなって、自分のことを覚えてもらうために、何かしら話をすることがあります。お客様の会話の邪魔はしたくない、だけど、自分と話して自分のことを印象付けさせたい。そんな相反することを実現するために、僕らはどんなことをしているのか、紹介しますね。
お客様の心に自然と入っていく質問のしかた
よくある「話が上手な人」の特徴に、「質問がうまい」というのがあります。答えやすい質問をたくさん投げかけてくれるんですよね。だから自然と会話が弾みやすくなる。
ただ、質問をたくさん投げればいい、というものでもありませんよね。初デートでいきなり「君は村上春樹作品についてどう思う?」なんて聞かれたら、それなりに本を読む人でもたじろぐでしょう。
この質問のよくない点は2つ。
①質問の答えの幅が広すぎて答えづらい
②そもそも話題の設定に無理がある
「悪い質問」の典型例になっています。
では、どうしたら「いい質問」になるのか? この逆をすればいいんですね。
レストランでよくある現場の例であれば、こんな感じです。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。