どうも。 完璧に梅雨入りしましたねぇ……つらみ……。
いや、「雨」自体は嫌いじゃないんですよ。雨音とか聞いてて落ち着くし。
というか、我は筋金入りの「雨女」なので人生のターニングポイントは全て雨だったし……
そうだ、宝塚音楽学校の合格発表も、卒業式も、入団式も、大体の公演の初日と千秋楽も、勿論退団した日も。そういやあ嵐も呼び起こしたことあるしなあ……はは……。
何が嫌ってさ、洗濯物を外に干せないことなんですよ。「部屋干し」があんまり好きじゃないんですよ。
これが冬とかだと、逆に、暖房かけている部屋の乾燥防止とかになって良いんですが、梅雨時って加湿分野はもう事足りているじゃないすか。もういらんじゃないすか。湿気。
そんな風に思っていた私は、ある日最強の洗濯物乾燥機器に出会いました。それは「浴室乾燥」です。
あれはいい。浴室の湿気も無くなるし、洗濯ものは乾くし……
ほんといいもんです。文明の利器だなあ。兎に角あっという間に乾くもんね!
ウッキウキで洗濯物を取り込んでいたら、この間買ったばっかりの、とある蜂蜜配合の石鹸が置いていた棚から溶けて溶けて溶けて溶けて溶けて溶けて溶け落ちて……
軽く鍾乳洞が出来ていました。
……買ったばっかだったんだぞ!!!!
皆さんも浴室乾燥の際はお気をつけください……。
という訳で、注意喚起が済んだところでレッツゴー♪
「巨匠」との出会い
彼との出会いは、2006年まで遡る。
『Never Say Good Bye』……自身の初舞台、大事なので2度言うが、「初めて宝塚の舞台に立った公演」が、「巨匠」の作品だった(初舞台については、前話、前前話参照)。
そこから僅か2作品後、『アデュー・マルセイユ』も「巨匠」の作品だった。
初舞台では、お芝居の本編には出演しなかったので、あまり具体的な演出指導を受けたことは無かったが、『アデュー~』では、〈観光客の男〉や、〈バザー出席者〉など、台本に印字されることは無いが、ガヤ芝居として話す事はできる役を貰い、「真ん中」で芝居するスターさん達の「背景や環境」を、豪華且つリアルに生み出すように色んなダメ出しを頂いた。
下級生はセリフが無くても「豪華なセット」になれる、ということをこの時知った。
そして……なんとその次の宝塚バウホール公演『蒼いくちづけ』でもご一緒することになった。
この時までに出演した作品は僅か5作品。そのうちの3作品が「巨匠」作・演出。
ここまで頻繁にご一緒出来ることはなかなか無い。
ただ、実際にお会いする前から、お名前だけは存じ上げていた。
小学校低学年の頃、自分にとってのアミューズメントパークが図書館だった私は、休日はもっぱら本を読みに通っていた。 様々な本がある中、一番ハマっていたのが『手塚治虫漫画全集』と『ポーの一族』で、何度も何度も同じものを借りて読んでいた。
ある日、『ポーの一族』を読んでいたら、巻末のエッセイで彼の名前を目にした。
更に、『ポーの一族』を描かれた萩尾望都先生の影響で宝塚歌劇団に入った的なことが書かれていて、それを読んだ私は初めて『宝塚歌劇団』の存在を知った。
そこから、おばあちゃんのステマ(1話参照)などにより宝塚歌劇団を受験する流れに至ったので、実質、
「萩尾先生の影響により宝塚歌劇団に入った巨匠の影響により宝塚歌劇団に入団した私」
の図式が完成する。
『蒼いくちづけ』もバンパネラのお話なので、「永遠の時を生きる美しく孤高な存在」が好きなお方なのだな。と、推しジャンルを把握するオタクのような気持ちで認識していた。
『蒼いくちづけ』を上演する宝塚バウホールは、宝塚大劇場に隣接する劇場で、キャパは約500席の小劇場である(宝塚大劇場は約2500席)。
普段の大劇場公演は、主役は勿論トップスターさんだが、バウホールでは今一押しの若手が初主演することも多く、登竜門的な存在だ。
前回お話しした新人公演の次のステップといったところである。
『蒼いくちづけ』という公演は、まさに今メキメキと頭角を現しはじめた若手スターと、当時研究科(入団後)10年以下のメンバーのみによる「ワークショップ」的公演だった。
更に、出演者はAパターンBパターンのダブルキャストで、主演・ヒロイン・2番手さんの役の方はどちらか一方のチームにしか所属しないが、残りのメンバーは各パターンで別の役を演じるという、かなりハードな演目だった。
私は、「レンフィールド」という、不動産仲買人の、冒頭5分で主役のドラキュラのお屋敷にいるコウモリに襲われて気が狂ってしまう男の役を演じることになった(説明の仕方よ)。