赤字決算に社長の後任未定。新興勢力も台頭し、苦しい状況が続く。
(『週刊東洋経済』2017年12月16日号掲載)
かつて「残業ゼロ」を実現しながら19期連続で増収増益を成し遂げた優良企業が、苦境に立たされている。
婦人下着メーカー大手のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは2017年11月初旬に16年12月期の決算を官報に公告した。売上高は434億円、営業損益は9・5億円の赤字だった。赤字の理由について会社側は「(グループによる事業変革の一環で)不採算店舗の閉店や一部のバックオフィス業務の外部委託などを行い、一時的支出が発生したため」と説明する。
トリンプの創業は1886年。本社をスイスに置き、日本に進出してから50年以上の歴史を持つ。「天使のブラ」や「恋するブラ」といった看板商品を生み出し、百貨店や量販店への卸売りや、若い女性向け低価格商品を扱う「アモスタイル」を軸とした直営店の運営を行ってきた。
定期的な決算開示がないため近年の業績推移は確認できないが、売上高は05年の約520億円をピークに減少傾向が続いている。現在の直営店は約250店で、ここ5年で50店ほど減った。
新たな競合が勢い増す
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