清雅なる情景 日本中世の水墨画」展—白と黒が織りなすあざやかな世界

注目の展覧会を紹介するアート連載。今回ご紹介するのは、今回ご紹介するのは根津美術館で開催中の、日本中世300年の粋を集めた水墨画展です。水墨画って、白と黒の二色だけでなんだか物足りない気分になりそうでは……などという心配は無用。そこには、無限の階調を含んだあざやかな世界が広がっています。西洋画家が日本にもたらしたとされている抽象画のルーツが、実は日本の水墨画巨匠・雪舟にあったのでは? という、アート・コンシェルジュの大胆な分析にも注目です。

天気が不安定な折り、出かける計画を立てるのもなかなかたいへんかもしれませんね。今回は、心に静けさをもたらしてくれそうな展示を、ぜひご紹介いたします。
白と黒の世界、その濃淡だけであらゆるものを表現するジャンルといえば何でしょうか。モノクロ写真? たしかにそれもそうですが、もっと長い歴史を持つもの。そう、墨絵です。中国で生まれ出て、日本に伝わったのち、それぞれの地で独自の発展を遂げたものです。日本における墨絵表現の達成を観られるのが、根津美術館での「清雅なる情景 日本中世の水墨画」展です。


出品されているのは、すべて墨絵作品。当然ながら、白と黒以外の色はそこにありません。ですが、会場を見渡して「彩りが足りない」といった感じはまったくしませんよ。風景、人物、動植物と、モチーフになっているものはさまざまですが、どれも色が足りないのではなく、画面はむしろ豊潤な印象を与えます。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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コメント

natsuzo これ行かなきゃと思ってたんだった。  5年弱前 replyretweetfavorite