日本に移住したマレーシア人が、日本の「ママ友文化」に驚いていました。「母親同士でグループを作る文化は韓国ドラマの中のことだとばかり思ってた」そうです。
日本には、「公園デビュー」って言葉がありますが、どうやら万国共通ではないようです。
ママ友グループって小さく閉じた世界なので、入れてもらうには「最初が肝心」です。途中から入ってくる新参者は、小さくなってます。晴れてグループの構成員になると、定期的に親子ぐるみでのイベントに呼ばれます。グループにいないと、挨拶すらしてもらえなかったりします。それはそれで寂しいものです。
この文化、何かに似てるなと思ったら、小中学生のときのグループに似ていました。
私も子供の頃は、新学期がどうにも苦手でした。
クラス替えで気にするのは「知り合いはいるかな」「仲良しはいるだろうか」でした。グループに入るには最初が肝心。最初の1ヶ月くらいでグループに入れないと、仲間に入れないまま1年が終わってしまったりします。そして、仲間じゃない子とは同じクラスにいながらも口を聞かなかったりするのです。
今思うと、「ウチ」「ソト」の強烈な体験だったかもしれません。
マレーシアにきた日本人にも「日本人の母親の集団が怖い」って人がいます。グループ意識が強い人の側にいると「ソト」の人は、実にきまり悪いんですね。
マレーシアには薄い「ママ友グループ」の概念
ところが、マレーシアに来ると、いろいろ勝手が違います。まず、母親の集団を見ることはあまりありません。
インターナショナル・スクールでは親の「グループ」が緩やかなものでした。個人面談に行っても、大きな家族でまとまってるか、一人で来ているかで、「ママ同士」の集団の圧がない。いても卒塔婆のように皆さんバラバラと立っていて、グループが固定化していません。
子供の小学校のクラスにはインド人もバングラディッシュ人もマレーシア人も韓国人もいて、まとまり様がないと言うのが正しいかもしれません。宗教が違うので、ずっと一緒に行動しようと思っても休日やお祭りや習慣が違うので難しい。
子供同士でも同じようです。仲良しがくっついていることはありますが、親友が他の学年にいる、という子も珍しくありません。何しろ、学校に入る年齢もバラバラならば、途中で学校を変わったり、途中から入ってきている人が多いので、「一斉に始める」ってことが少ないのです。