「結論から書け」。ビジネス文章を書くときによくいわれることだ。
ビジネスパーソンは忙しい。文章の基本とされる「序論・本論・結論」の3段構成や、物語の基本とされる「起・承・転・結」、「大前提・小前提・結論」から成る「三段論法」のように、最後まで読まないと結論が見えないような文章は、ビジネスのやりとりでは嫌われる。そういう意味では理にかなっている。
しかし実は、「結論から書く」以上に大切なことがある。それは「考えること」だ。
自分の頭の中に散乱する情報を、ただ漫然と相手に伝えても、相手は理解できない。相手をイライラさせる多くの文章は、文章が下手なのではなく、伝えたいことが定まっていない、「全体像が見えない文章」なのだ。
こうした文章にしないために、文章の「構造」をしっかりと考える必要がある。
まずは、①誰に何を一番伝えたいのか、②誰に何をしてほしいのかといった、そもそもの目的を考える。
それらを明確にした後、その目的を達成するためには、文章をどのように組み立てるかを考える。
そのとき、相手がどれだけの関心や知識を持っているか、相手にどのようなメリットがあるかといった、③相手とのコミュニケーションに必要な「前提」を考えることが大事だ。
そして、根拠となるデータや参考資料、類似例や競合の状況など、④必要に応じて情報もそろえる。
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