みんなさ、幸せになってくれたほうが楽なんだよね
大熊信(以下、大熊) では、次の言葉にいきます。そろそろ終わりの時間に近づいてきているので、「ひとが生きる理由」という根源的なことを書いてくださった回のなかから、幡野さんの言葉を紹介します。
(編集部注:スライドの右下は連載時の記事タイトルです)
大熊 この相談を送ってきたひとは41歳の女性で、交際している男性が20歳年下だから、相手の幸せを考えたら身を引いたほうがいいんでしょうか?と悩んでいて。この幡野さんの言葉は、SNSでも多くのひとが取り上げていました。
幡野広志 (以下、幡野) 息子からすればお父さんとお母さんが自分を幸せにしてくれる存在で、妻からすればぼくと息子が自分を幸せにしてくれる存在という、総合的なものです。
大熊 この言葉の次に続く言葉もすごくよくて、それがこれです。
幡野 すごい、いいひとじゃないですか。
会場 (笑)
幡野 みんなさ、幸せになってくれたほうが楽なんだよね。不幸なひとが増えちゃうと呪いの言葉とかいじめとか虐待とかDVが発生しちゃうんだけど、全員幸せになったらそんなこと発生しないんですよ。だからどんどんみんな幸せになってほしいんですよね。
大熊 まさに最初のほうで話した呪いの言葉の話と一緒で、それがうまく回れば個人の幸せが世界の幸せになりますよね。すごく視野の広い幸せ論みたいな。そんなに難しくないと思うんだけどな。
幡野 そうね。ただここで問題なのは、大企業への就職とか結婚が幸せだって価値観を子どものころから押し付けられることで、それはまちがいだよね。そこ目指そうとすると、幸せから外れちゃうんだよね。
大熊 そうですね。
幡野 自分の幸せを見つけて、その幸せを享受できればいい。それこそ多様性の社会だよ。やっぱひとの目を気にしはじめちゃうと得られないよね、幸せは。
大熊 ぼくがすごくいいなって思っているのが、幡野さん、この言葉の前に、「1年後はまた答えは変わっているかもしれません」って書いてるんですね。
幡野 あ、そうでしたか。なるほどね。
大熊 つまりこれだけが正解じゃないよっていう。まだこれからも考え続けていかなきゃいけないんだよっていうことをちゃんと明示している。
幡野 結局10年経ったら社会情勢変わるでしょ。だから絶対的なものにされちゃうとちょっとね。価値観や常識って時代で変わっていくからね。これは毎回思いますね。
明日死ぬかもしれないなんて思って生きないほうがいい
大熊 次の言葉が最後です。これ、書籍には入ってない言葉なんですが、せっかくなのでイベントに来ていただいてる皆さんに紹介したいと思って。
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