こんにちは!
パンデミックを機会に、人生を考え直している人もいるかもしれません。
新型コロナをきっかけに自分の立ち位置に揺れる管理職の心情を綴った記事がありました。
大企業では在宅勤務や「ジョブ型雇用」と言われる雇用形態が出てきたらしい。IT化の進行で、仕事がなくなる人も増えそうです。
そんな中で、キャリアを考え直さざるをえない人、少なくないと思うのです。
以前、親しい友人が「人生を考え直したいけど、もう遅いかなー」と言ってました。新卒で入社した会社に20年以上勤めている彼女は、「これでいいのかな」と考えてしまうそうです。でも怖くて動けないと。
これは本当にもう痛いほど分かります。
恐怖の正体っていろいろ分解できると思うのです。
お金がなくなる恐怖、他人からどう見られるかという恐怖、安定した生活がなくなる恐怖……。
中でも一番得体が知れないのが「システムから外れる恐怖」ではないかなー。
特に、中学、高校、大学、就職と周りと一緒に流れにのってきた人って、ある意味運が良かった人です。
私なんて浪人も留年もしなかった「優等生」で(実態は優等生とは程遠いのですが、運と要領はそれなりに良かったってことでしょう)完全に与えられることに慣れてました。
ただ、突然それが断絶されて、一人放り出される心細さって途方もないものでした。
これから、多くの方がこの「不安」と対峙しなくてはならない今、システムから外れるってどういうことなのか。
今日は、私のちょっとした経験を共有します。
外れるのが怖い方のヒントになれば幸いです。
システムの中にいる安心感
日本の「システム」ってとてもよくできています。
乗っかっていると、心配なく生きられるように設計されています。
高校3年では、先生が「進路相談」に乗ってくれます。大学に入れば、ちゃんとサークルに勧誘してもらえます。その後は周囲に合わせて「就職活動」していると、いつの間にか入る会社が決まってたりします。
大企業に入ると、これまた至れり尽くせりです。名刺の渡し方から電話のかけ方まで、微に入り細に入り指導してくれるんです。勤務地も会社が決めてくれるし、制服があり寮がある。定期的に健康診断があり、オフィスには保険屋さんがやってきて、定期的に老後の積み立てもしてくれる。
海外に行くと、日本で当たり前だと思っていたこと——例えば、区役所の定期健康診断とか、学校の歯科検診なんてありませんから、自分で何もかもやらねばなりません。
多分日本のこのシステム、あう人にはとってもイイと思うのです。当時の大企業は、居場所も友達も住まいも生活費も、全部用意してくれて、心配せずに老後が送れる。それで幸せに生きている人もたくさん知っています。
しかし私はそうではなかったのです。
肝心の仕事では「なんか違う……」って思ってるのに、時間がたつにつれ、どんどん動きにくくなるようでした。ずっとベルトコンベアに載ってる的な生き方してると、自分の足で立ち、自分の頭で考える「筋力」が失われていくのです。
なんでシステムから外れるのが怖いのか
ところが、ある程度勤務して「やめる」となると恐怖感が半端ない。まず、名刺がなくなるのが恐怖でした。それまではずっと「・・・高校」「・・・大学」「会社名」と肩書きがあったのに、突然何もなくなる。
みんなの見る目が変わるんじゃないか。馬鹿にされるんじゃないか、システムから外れる恐怖は半端なかったです。
もし同じように悩んでいる人がいたら、ぜひ試してみて欲しいのが、「少しだけ環境を変えて思考をズラしてみる」ってことです。
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