​食に執着する日本人

今回の「ワイングラスのむこう側」は、「食」の話。日本人がなぜかこだわってしまう食について、林伸次さんが考察します。

どうしても見てしまう食のシーン

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

映画とかドキュメンタリーとか小説とか、あるいはブログやSNS、今だとオンライン飲み会、色んな「コンテンツ」を見たり読んだりするとき、あなたは何を見ていますか?

髪型や服装、会話や言葉遣い、うしろの風景や小物、車や建物。色んなものをなんとなく見ていると思うのですが、僕は飲食の仕事をしているので、「みんなが何を飲んで、何を食べているのか」っていうのを、すごくチェックしています。

例えば小説家がバーでのシーンを描いていると、僕は、「あ、この人、バーはそんな行ったことないんだ。でも物語の都合上、バーが必要だったんだ」みたいなことを感じたりします。

他にも映画の中でラーメンを出すと、それを何のラーメンにするかでその登場人物のことが表現できるんですよね。袋のインスタントラーメンをお鍋からそのまま食べるとか、あるいは有名ラーメン店に並んで食べるとか。多くのことをラーメン一杯で表現可能です。

あるいは、ブログやSNSやオンライン飲み会とかで人の日常の姿を見ることができると、「自宅でこんな入手困難なワインということはワインセラー持ってるんだ」とか、「ビールはグラスにつがずに、缶からそのままなんだ」とか、「ペリエを家で飲むのにスライスしたオレンジいれてる」とかをとにかくチェックします。

もうほとんど病気と言いますか、それをチェックして、「この作者のグルメ好き具合」とか、逆に「こだわらなさ具合」とかを推し量るんです。

これ、完全に職業病です。バーって、カウンターに座ったお客様が、どこまでグルメ好きなのか、あるいは全然こだわらないのか、あるいはこだわらない風に見せて、実はすごく美味しい不味いはわかっているのか、っていうのを「先に知る」必要があるからなんです。

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

kiyoka141030 食に執着する日本人 #SmartNews ほんこれ https://t.co/WxaPekjsCi 6ヶ月前 replyretweetfavorite

onabemaru 食に執着する日本人 | 6ヶ月前 replyretweetfavorite

null_k6 教養としての”食”なんだろうな 凡人としてはこういうのカッコいい、素敵だ、って思っちゃうけど、いやそれが当たり前だったんだよって話なんだね 食に執着する日本人|林伸次 @bar_bossa | 6ヶ月前 replyretweetfavorite

_kobakomalfoy 食に執着する日本人|林伸次 @bar_bossa | 6ヶ月前 replyretweetfavorite