『あつまれどうぶつの森』、通称『あつ森が』流行っているらしい。プレイヤーは無人島を自分独自の島に作り上げていく、というのだが(ざっくりです)、私自身はプレイしていないため、その醍醐味は未経験である。普段は会えない人、自粛生活で会えなくなっている人ともつながれる、というのもあり爆発的にヒットしたのだろう。中には、あつ森の世界で結婚式を挙げた人もいるのだとか。
ということは、あつ森の世界で恋愛している人達もいるのだ。以前から、ゲームというバーチャルな空間で出会い、恋愛に発展するなんてざらだった。以前と異なるのは、実際に会えなくなってしまった点である。
これはもどかしいだろうな、と思う反面、もしかしたら好都合なのかも、と考えてしまった。それというのも、先日ある女性からこんな経験談を聞いたからである。
3年もの間、月に2回~3回定期的に会っているのに
「つかず離れずで3年間交流してきた男性に、私の存在は何なのか? と詰問してみたら、ただ一緒にいるだけでありがたく感謝すべき存在、と言われた」
この短い文章だけでも、謎な情報が満載だ。ある女性、K子としておこう、は神様ではない。拝んでご利益があるような存在ではなく、小奇麗で知的で自立した30代前半の独身女性だ。ガツガツはしていないが結婚相手を探していた、健全で常識的な女性である。
ちなみに3年もの間、月に2回~3回定期的に会っていて、食事をしたり飲みに行ったり、男性の車でドライブしたり、普通にデートしていたという。
「それって、セックスはアリだったの?」
私は核心をついてみた。当然、アリだと思っていた。男性はK子より3歳年上の30代半ばだし、健全で常識的な男性なら、まず手を出すだろうと踏んだからだ。だって3年間で少なく見積もっても72回は会ってるんでしょ?
「それが、ないの。手もつないでいない」
もしかしたらK子は神様だったのだろうか。本気でそう問い質そうとした。ていうか、その男性にとっては神様だったのだろうか。
「あなた達、3年前からソーシャルディスタンス恋愛してたの? 先取だね」
と、私は言った、というか打った(LINE上の会話です)。
「まさか。車は彼の車で私は助手席に乗っていたし、歩く時も2メートルも離れていない。せいぜい10㎝か20㎝離れているくらい」
まじめにこたえてくれるあたり、煮え切らない男性を3年間も待った根性や律義さがうかがえる。
K子を古風とみるか高飛車とみるか
「K子さんから誘ってみたりしたの?」
と私。
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