自律神経のバランスが、心身のパフォーマンスを決める
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分かれていて、基本的に相反する役割を果たしています。
「交感神経」は車にたとえるとアクセルのようなものです。優位になると体は活動的になります(優位になるというのは、神経細胞が興奮し、情報の伝達が頻繁になることを言います)。
交感神経が優位になると、臓器は活発に働き、血管は収縮して、血圧や心拍数が上がります。気道が広がるので呼吸数も増えます。体内では多くのエネルギーが作られ、脳の活動も高まり、心は興奮状態になります。
全体的にエネルギッシュなので、なんだか良いことのように感じますよね。しかし、そうではありません。交感神経が過剰に優位な状態は、アクセルを踏みっぱなしにしているようなもの。しかも、加齢に伴って、“乗っている車”も年季が入っていきます。タイヤは摩耗しているし、エンジンの調子も万全とは言えないでしょう。
それにもかかわらず、時速100キロでブレーキをまったくかけずに走り続けたらどうなるでしょうか。エンストしたり、タイヤがダメになったり、事故を起こしたりしかねません。快適に走り続けるためには適度なブレーキが欠かせないのです。
そして、そのブレーキの役割を果たすのが「副交感神経」です。副交感神経は、血管をゆるませ、血圧を低下させる働きを持っています。副交感神経が優位になると心も穏やかになります。
車を運転するためには、アクセルとブレーキが必要であるように、体にとっても交感神経と副交感神経の両方が必要なのです。
「交感神経」と「副交感神経」は生活習慣や感情など、さまざまな要因によってめまぐるしく上下しながら、常にバランスを取り合っています。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。