鈴木圭介
老〜いの巻
バンドマンなのに革ジャンが似合わない、ロックバンドのボーカリストなのに肩書以外過剰なところがひとつもない……カッコつけてると思われたくなくてカッコつけられない! 自意識と憧れの狭間で叫ぶ! 2020年5月下旬発売、ロックバンド・フラワーカンパニーズ鈴木圭介の自意識爆発エッセイ集『深夜ポンコツ』から傑作コラムを特別公開!「たとえ今が冬だったとしても、季節は巡る。春はまた来るのだ!」
去年の暮れに数十年ぶりに縄跳びをした。京都のというライブハウスのスタッフの間で、なぜか縄跳びが流行っているらしく、ライブの本番前に少しだけやらせてもらったのだ。
自信はあった。何しろ小学生の時、縄跳び検定1級。縄跳び大会、3年連続で優勝だ(といっても僕が通っていた名古屋市立天白小学校の中だけの検定だが(天白小学校縄跳び検定1級→二重跳び30回/後ろ二重跳び10回/はやぶさ10回/忍者(あや跳びの二重跳び)10回/三重跳び3回))。
41歳になったが、まだ勘は鈍っていない。年間100本ライブもやっているから、運動量も普通の会社員よりは断然多い。三重跳びはできないにしても、二重跳びぐらいなら果てしなくできる。と、本気で思っていた。
甘かった。結果は惨敗……二重跳びが6回。後ろ二重跳びが2回。はやぶさは0回。忍者も0回。三重跳びも0回……ショックだった。果てしなくできると思っていたのに、これじゃ普通の会社員のおっさんと一緒だ。アスリートなのは気分だけ。子どもの運動会の父兄参加リレーで、すっ転ぶ気持ちがよくわかった。
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絶賛発売中!フラワーカンパニーズ鈴木圭介『深夜ポンコツ』
この連載について
鈴木圭介
バンドマンなのに革ジャンが似合わない、ロックバンドのボーカリストなのに肩書以外過剰なところがひとつもない……カッコつけてると思われたくなくてカッコつけられない! 自意識と憧れの狭間で叫ぶ! 2020年5月下旬発売、ロックバンド・フラワ...もっと読む
著者プロフィール
ロックバンド、フラワーカンパニーズのボーカル。1969年4月30日札幌生まれ、名古屋育ち。1989年、フラワーカンパニーズを結成。全国を機材車で駆け巡り、年間100本近いライブ活動を展開。楽曲「深夜高速」が多数のミュージシャンにカヴァーされ話題に。著書に『三十代の爆走』、『イッツオンリーロッキュンロール―鈴木圭介全歌詞集』、フラワーカンパニーズ『消えぞこない 〜メンバーチェンジなし! 活動休止なし! ヒット曲なし! のバンドが結成26年で日本武道館ワンマンライブにたどりつく話〜』がある。