わかりやすい伝え方の法則 【第10回】 わかりやすく説明するために大事なことは? 〈その1〉

わかりやすく説明するために必要なものとは何か? それを考える前提として、認識しておくべきことがあります。それは、「わかりやすいかどうかを決めるのは自分ではなく相手」だということです。自分の説明がわかりやすいかわかりづらいかを判断するのは、自分ではなく、説明を聞く側のほうなのです。


〔PHOTO〕Thinkstock by gettyimages

今回は、「わかりやすい説明」をするために、本当に必要なことを紹介していきます。当たり前のように感じるかもしれませんが、実際にできていない人が多くいます。ほんとうに重要なポイントです。

わかりやすいかどうかは誰が決める?

わかりやすく説明するために必要なものとは何か?

それを考える前提として、認識しておくべきことがあります。それは、「わかりやすいかどうかを決めるのは自分ではなく相手」だということです。自分の説明がわかりやすいかわかりづらいかを判断するのは、自分ではなく、説明を聞く側のほうなのです。

だから、一生懸命考えても、いくら努力しても、自分目線から抜け出せていなければ、わかりやすくはならないのです。

これは"ファッション"と同じです。街を歩くと、いろいろな服装であふれています。みな自分では「これがいい」と思って、その服を着ているわけです。でも、実際にそのファッションが「いい」かどうかを判断するのは他人です。自分がいくらその服を気に入っていても、いくらその服が高価でも、誰も評価してくれなければ、そのファッションは「いい」とは言えません。

説明もそれと一緒です。だから、自分の説明が相手からどう理解されているか、自分の説明が相手にどう受け取られているかを注意しなければなりません。ここが前提なんです。

わかりやすく説明するために必要なこと

そのことを踏まえて、「わかりやすい説明」には何が必要かを考えてみましょう。

結論からいいますと、必要なのは、「頭の良さ」でもセンスでもありません。では、何が必要なのかというと、それは「相手に理解してもらいたいと思う意識」と「相手に合わせて表現を変えること」です。

この連載では、わかりやすくまとめるテクニックとして、「テンプレップの法則」を紹介しています。でも、そのテンプレップの法則が活きるのは、これらの「意識」と「表現」を適切に持っているからなのです。

「相手に理解してもらいたいと思う意識」とは、「相手に気を配り、自分の説明を何とか分かってもらおう」とする気持ちや姿勢のことです。上から目線の「説明してやる」という態度だったり、「聞いていても聞いていなくても、どっちでもいい」と思っていたとしたら、わかりやすい説明はできません。

また、「相手に合わせた表現」とは、「相手が理解しやすい表現」という意味です。人によって、理解できる(理解しやすい)表現は違います。ケースバイケースで適切な表現を選ばなければいけません。

この「意識」と「表現」が合わさって、初めてわかりやすい説明ができるようになります。片方だけでは不十分です。両方必要です。

ここでスポーツについて考えてみます。スポーツの競技で良い結果を残すには、まず「うまくなりたい!」という強い意識を持ったうえで、そのために必要な個々の技術を身につけていく必要があります。いくら強い意識を持っていても、技術の習得を怠れば、良い結果を残すことはできないでしょう。反対に、練習の過程で、「別にうまくならなくてもいいや」と考えていたのでは、それ以上上達することはありません。

「わかりやすい説明」も、じつはこれと一緒なのです。「相手に伝えたい」「理解してもらいたい」という気持ちを持ち、そのための技術を磨くことで、誰でもわかりやすく説明することができるようになるのです。

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