自分をよろこばせることができないと、「誰かのため」は「誰かのせい」になりかねない

雑談のプロ、桜林先生(サクちゃん)が、心のインサイドとアウトサイドの極意を書いています。内側の声を聞くための方法/内側の声を聞きすぎない方法/雑談とインタビューの違い/「誰かのため」を「誰かのせい」にしないために/なるほどなあ。雑談のプロはうまいことを言う。連載いよいよ第12回(毎週火曜日更新)

蘭ちゃんへ

こんにちは!

今日の東京は雨です。この頃は日常に起こる要素が少ないので、雨だから洗濯物を外に干せないとか散歩に行けないとかの小さなことが、普段よりも大きなダメージになっているような気がします。

蘭ちゃんは前回の日記のなかで、「生活のはしばしで『今、なにを感じているか』に意識を向けて、『内側の声』を聞いている」と書いていましたが、それも、起こる出来事が少ないから感情をキャッチして観察しやすいのだろうな、と思いました。

それから、アンパンマンの歌を思い出しました。

「なにが君のしあわせ なにをしてよろこぶ わからないままおわる そんなのはいやだ」(「アンパンマンのマーチ」より)

*ー*ー*

先日出版した本『世界は夢組と叶え組でできている』の中で、自分がずっと「やりたいこと」がなかったことについて書きました。どうしてないんだろうと過去を掘りかえしてみると、やはり蘭ちゃんと同じように「内側の声」を抑えて、無視してきたからでした。

自分の環境や他人の言葉によって、自分が楽しいことやよろこぶことをしたり、自分のためだけに時間を使ってはいけないのだと思い込んで、「内側の声」を聞かないように塞いでいました。聞こえても叶えてあげられないからと、諦めていたのかもしれません。

それに気がついて、自分がしたいと思うこと、好きなこと、楽しいことを小さなことでも書き出して見つけ出す作業をしました。今の蘭ちゃんと同じですね。

そうやって自分の声を聞く努力をしていると、すぐに壁にぶつかります(努力中こんなこと言ってごめんよ)。ひとりで考えていると、気がつくと同じところをグルグル回っていたり、コンディションが悪いとネガティブな沼に入り込んだりしてしまいます。

そこで、他人の登場です。

わたしが「雑談」がすきで、仕事にまでしようとしているのは、ここでいう誰かにとっての「他人」になりたいからなのですが、ひとりで考えていたことを誰かに話すと、形をもちます。言葉にする作業でぴったりなものを選んで、嘘や誤解のないように削ったり、見直して精査することで、自分とさらに向き合うことになります。

そのとき、誰に話すかによって、話す内容や見せる角度が変わってくるのだけど、相手にどう思われたいか「外側の声」を意識して話すのではなく、安心して「内側の声」を出せる人と話すと、よい雑談ができると思っています。

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サクちゃん蘭ちゃんのそもそも交換日記

土門蘭 /桜林直子

東京でクッキー屋さんをしている「桜林直子(サクちゃん)」と、京都で小説家として文章を書く「土門蘭(蘭ちゃん)」は、生活も仕事も違うふたりの女性。この連載は、そんなふたりの交換日記です。ふたりが気が合うのは、彼女たちに世界の「そもそも」...もっと読む

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コメント

DieKatz35 今考えてることと共鳴してとてもしみる 5ヶ月前 replyretweetfavorite

Magetyon23 今の自分にどんぴしゃの記事だった。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

PcOihb サクちゃんさん連載持ってたのね…とてもよかった… 5ヶ月前 replyretweetfavorite

endoucum https://t.co/KstcQcKX 5ヶ月前 replyretweetfavorite