「伸ばさない」と、自律神経が乱れる
体を伸ばさないことによって、筋肉というバネがさびついたり、肩甲骨の位置がズレたりするだけではなく、物理的な圧迫が加わることで、全身の酸素量と血流が低下することをおわかりいただけたと思います。
けれども、健康被害はそれに留まりません。むしろ、これこそが最も大きなデメリットだと言えるでしょう。それは、全身の酸素量と血流が低下することで、自律神経のバランスが乱れるということです。
自律神経というのは、24時間自動的に作動している、人体の健康維持装置のようなものです。私たちの体は脳がコントロールしていますが、実は脳がそのすべてをコントロールしているわけではありません。
たとえば、人間は呼吸が止まると、生きていくことができません。しかし、いちいち脳が指令を出さなくても、私たちは今この瞬間も、はたまた眠っているときも呼吸をすることができます。また、暑いときに「汗をかいて、体温を下げよう!」と意識をしなくても、自然と体温調節をすることもできます。
このように、意識をしなくても、外部環境の変化に応じて、生体の内部環境を一定に保つようにコントロールしているのが自律神経なのです。
自律神経は全身に張り巡らされており、血液循環、呼吸、消化吸収、排泄、免疫、代謝、内分泌など、人間が生きていくために欠かせない機能に深く関わっています。
特に、血液循環は自律神経の最も大きな役割だと言えます。
たとえば、こんな経験はありませんか?
「布団から立ち上がったときに、頭がくらっとする」
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