スゴ伸び

伸ばさない」と自律神経が乱れる

体を伸ばさないことは、「疲れやすい」「ぐっすり眠れない」などさまざまな不調の引き金に。前回は、呼吸筋が衰える速くて浅い呼吸になり、体内に取り込む酸素量が低下する悪循環のリスクについて解説しました。いま話題の書籍『スゴ伸び』から、自律神経とは何か、その役割と整えることの重要性、乱れたときに発生するリスクについて詳しく紹介します。

「伸ばさない」と、自律神経が乱れる

体を伸ばさないことによって、筋肉というバネがさびついたり、肩甲骨の位置がズレたりするだけではなく、物理的な圧迫が加わることで、全身の酸素量と血流が低下することをおわかりいただけたと思います。

けれども、健康被害はそれに留まりません。むしろ、これこそが最も大きなデメリットだと言えるでしょう。それは、全身の酸素量と血流が低下することで、自律神経のバランスが乱れるということです。

自律神経というのは、24時間自動的に作動している、人体の健康維持装置のようなものです。私たちの体は脳がコントロールしていますが、実は脳がそのすべてをコントロールしているわけではありません。

たとえば、人間は呼吸が止まると、生きていくことができません。しかし、いちいち脳が指令を出さなくても、私たちは今この瞬間も、はたまた眠っているときも呼吸をすることができます。また、暑いときに「汗をかいて、体温を下げよう!」と意識をしなくても、自然と体温調節をすることもできます。

このように、意識をしなくても、外部環境の変化に応じて、生体の内部環境を一定に保つようにコントロールしているのが自律神経なのです。

自律神経は全身に張り巡らされており、血液循環、呼吸、消化吸収、排泄、免疫、代謝、内分泌など、人間が生きていくために欠かせない機能に深く関わっています。

特に、血液循環は自律神経の最も大きな役割だと言えます

たとえば、こんな経験はありませんか?


「布団から立ち上がったときに、頭がくらっとする」


いわゆる立ちくらみですね。でも、しばらくすると元に戻るはずです。なぜでしょうか。

横たわっているとき体は床に対して水平なので、血液は全身に等しく行き渡っています。しかし立ち上がると、血液は重力にしたがって足に流れ出します。するとここで、自律神経が危険を察知します。「このままでは脳に血液が行かない! 血管をコントロールして、血液を脳に送ろう」

そして、瞬時に血管が収縮し、足→心臓→脳へと血液が送られます。まるで水が流れているホースを指でギュッとつまんだときのように、ピューッと勢いよく血液が昇っていくのです。

この、血管をコントロールする力は、自律神経のバランスにかかっています

自律神経のバランスが整っている場合は、瞬時に血管をコントロールすることが可能です。立ちくらみが起きてもすぐに回復するか、あるいは仕事が速すぎて立ちくらむことすらないでしょう。

一方、自律神経のバランスが乱れている場合は、反応が遅れるとともに、血管を収縮する力が弱まります。回復するまでに時間がかかったり、激しい立ちくらみに襲われたりすることもあるでしょう。特に高齢の方の場合は、立ちくらんだ際に転倒し、骨折をしてしまい、そのまま寝たきりになるケースも少なくありません。したがって、血管をコントロールする力を高めることはとても大切です。

このように、血流をはじめ、呼吸、代謝、体温調節などが適切に保たれているのは、自律神経が24時間休むことなく体の状態を確認し、それに応じて適宜コントロールしてくれている賜物に他なりません。

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全国書店にて好評発売中! 在宅勤務が続くいま、自律神経の名医が究極の健康法を緊急提案!

スゴ伸び

小林 弘幸
小学館集英社プロダクション
2020-04-23

この連載について

初回を読む
スゴ伸び

小林弘幸

自律神経の名医が開発した究極の健康法、「スゴ伸び」。名前のとおり、ふつうの「伸び」ではありません。 健康に欠かせない自律神経に着目して医師が考案したもので、「血流がよくなる」などの効果が実証されています。 体に負担をかけることなく、1...もっと読む

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