VUCAワールド
〈正解が存在しない世界〉
世界はますます混沌を極めている。世界中から、政財界のリーダー3000人が集まるダボス会議。そこで、最近よく聞かれる言葉が「VUCA」だ。「VUCA」とは「変動制(Volatility)」「不確実性(Uncertainty)」「複雑性(Complexity)」「曖昧性(Ambiguity)」の頭文字を取ったもの。元は軍事用語だが、近年はさまざまな分野で用いられるようになった。
つまり、世界の賢人たち3000人が集まっても、見通しが立てづらくなっているというわけだ。そして、その状況をGAFAのような巨大IT企業が加速させる。
Google、Amazon、Facebook、Apple、Netflix、Alibabaなどは、「クラウド」「IoT」「フィンテック」「ブロックチェーン」「AI」「VR」といった技術を急速に発展させ、既存のビジネスモデルや市場、税制などを根底から覆している。正解が「見つからない」のではなく、そもそも「存在しない」状況なのだ。
振り返れば、戦後や高度成長期は課題や目標が明らかであり、労働市場ではひたすら「課題解決」を求められた。いまやその従来の解決方法だけでは立ち行かなくなり、人々は「創造的な解決法」を探り始めている。何が課題なのか、問題のボトルネックは一体どこなのか……。
これからは、自ら課題や問題を見いださなければならない。誰も問題を提起してくれないし、誰も最適な解を持っていないのだ。
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