おもちゃの「レゴ」をビジネスに役立てるべく、大の大人が真剣に組み立てる──。そんな「レゴシリアスプレイ」という名のワークショップが世界各地で開かれていることをご存じだろうか。
その概要は、レゴを直感的に組み立て、なぜその形にしたのかを言語化して相手に伝え、無意識と意識の間を揺らめきながらより深い思考を促すというもの。進行には一定の作法があり、認定資格を持った人しか、ファシリテーターを務められないとされる。
取材班は8月下旬、ガラス大手AGCが大手素材メーカーと開いた合同ワークショップに同席。両社の若手から管理職まで社員十数人がみっちり5時間、レゴシリアスプレイを行った様子を取材した。
当日は認定資格を持つAGCの磯村幸太氏(右上)と井ノ口英明氏(その左)がファシリテーターに。Photo by Y.H.
この日の大テーマは「多様性と創造性を発揮する組織へ」。まず参加者同士が自己紹介し、簡単な組み立ての練習を終えると、手始めに指定された五つの完成形のいずれかをまねて作る作業を行った。
それを「仕事でワクワクしている私」というテーマで他の参加者に説明し、他の人はそれに何らかの質問をするというのが最初のワーク。この際、作ったものにどんな形でもいいから意味付けを行い、「こじつけ」でもよいから、言葉を絞り出すのが重要だそうだ。