#26 【実例】グローバル企業が次々取り入れるデザイン思考の今

不確実な時代の突破口となり得るデザイン思考は、国内外のグローバル企業も続々と取り入れている。どのように活用しているのか、実例から見てみよう。

 「デザイン思考」のコンセプトを提唱した世界的デザインコンサルティングファーム、IDEOの東京オフィスでシニアディレクターを務めるのが、トヨタ自動車を飛び出してキャリアチェンジを果たした野々村健一氏だ。

トヨタ自動車からハーバード・ビジネススクールへの留学を経て、IDEOに転職した野々村健一氏

 トヨタでは海外営業や商品企画を担当していたが、将来の可能性を広げたいとの思いから私費で米国の名門ハーバード・ビジネススクールに留学。その際、大学へリクルーティングに来ていたIDEOと出合ってその存在を知り、現地でインターンシップへ参加後、東京オフィスの立ち上げを経験して今に至る。

 同氏がかつて在籍したトヨタは、徹底的な合理化を進める「カイゼン」を身上とした、いわば論理を突き詰めることを得意とする会社。そこから、「デザインの力」で企業が抱える課題に応えるIDEOに移って以来、数々のプロジェクトに関わってきた。

 一連の経験を踏まえ、野々村氏は「論理的思考はデザイン思考の対局に置かれることが多いが、本来は両方押さえるべきもの。日本ではこの30年ほど、やや論理的思考に偏っていたようにも感じられる」と話す。

 デザイン思考と論理的思考の両輪を生かす上で、野々村氏はそれぞれが「拡散」と「収束」という特徴を持つことに着目する(下図参照)。新たにアイデアを考える(選択肢を生み出す)際には、右脳的なアプローチであるデザイン思考を活用する一方、つくり出した選択肢から選ぶ場面では、左脳的な方法の論理的思考を使うようなイメージだ。

 ただし、どちらも過信は禁物。例えば論理的思考では「フレームワーク」が考え方を整理する上で有用な思考ツールに挙げられるが、野々村氏はハーバードへの留学時代、世界的な経営学者のマイケル・ポーター教授の講義で聞いた「意外な言葉」を今も鮮明に記憶している。

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週刊ダイヤモンド 2019年9/28号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2019-09-24

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