第六講 説得せずに、納得させよう

自らの主張を、いかにして読者に受け入れてもらうか。これは文章を書くすべての人が考えなければならない問題です。「意地でも認めさせてやる!」という思いが高じると、その文章は強引な〝説得〟になり、無用な反発を招いてしまいます。ほんとうの意味で受け入れてほしいのなら、〝説得〟とは別のアプローチを考えましょう。(『20歳の自分に受けさせたい文章講義』より加筆・修正)

なぜ日本史の授業はつまらないのか?

 高校生のころ、いつも不思議に思っていることがありました。
「どうして歴史小説はおもしろいのに、日本史の授業はこうもつまらないんだろう?」ということです。

 日本史や世界史は、典型的な暗記科目です。覚えることが多いからつまらない。そう考えることはできます。しかし、歴史小説を読むのだって、登場人物はもちろん、時代背景から専門用語まで、覚えることはたくさんあります。脚注のない小説だと、自分で辞書を引いて調べなければなりません。覚える苦労でいえば、日本史の授業とさほど変わらないような気もします。
 なのに、日本史や世界史の授業はおもしろくないし、苦痛ですらある。教師の問題なのか、教科書の問題なのか、それとも日本の教育制度そのものの問題なのか。よくわからないまま、ぼくは高校を卒業しました。


 そして大人になり、ライターの仕事をはじめるようになってから、なんとなく答えがわかってきたような気がしています。歴史小説はおもしろいのに日本史の授業はつまらない、最大の理由。それは〝説得〟と〝納得〟というアプローチの違いなのです。

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文章ってそういうことだったのか講義

古賀史健

「話せるのに書けない!」を解消してくれる新書として話題となった『20歳の自分に受けさせたい文章講義』。著者の古賀史健さんが、cakes読者のために、そのエッセンスを抜き出したダイジェスト版の文章講義をお届けします。

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