「プロジェクト」を辞書で調べると、「計画」「企画」「研究」といった言葉が並ぶ。つまり、世界一高いタワーの建設も、家の建て替えも、革新的な車の開発も、夏休みの家族旅行も、全て「プロジェクト」だ。
プロジェクトは、勘を頼りに手探りで進めるのと、これまでの知識や経験を活用するのとでは、成功する確率はだいぶ違ってくる。
このように、目標へ向けてプロジェクトを着実に推進していくためのフレームワークが、「プロジェクトマネジメント(PM)」だ。そしてPMに関するノウハウを体系化したものが、国際的に標準とされているPMの知識体系『PMBOK(ピンボック/Project Management Body Of Knowledge)ガイド』である。
しかし、PMBOKの中身は難解だ。PMを学ぼうとPMBOKを入手したものの、あまりに「フワフワした」内容でつかみづらく、挫折する人も多い。
それもそのはず、世の中に「プロジェクト」は無限に存在する。内容を具体化すると、一部の業界でしか通用しなくなる。PMBOKは業界を特定しないため、さまざまな種類や規模のプロジェクトへ適用できるよう、あえて抽象化しているのだ。そうした理由から、いきなりPMBOKから入るととっつきにくく、混乱してしまう。
PMBOKは、世界中の組織などで実際に行われたPMのうち、特に成果を上げている方法や考え方、スキル、ツールを整理した、いわばPMの「ベストプラクティス集」である。
理論を基に実践したケースを集めて紹介するのではなく、うまくいった方法や考え方を、どの業界でも活用できるよう、用語や表現に注意しながらまとめたものと思えば、PMBOKの見方が変わるはずだ。PMBOKを解説する書籍は数多く存在するため、まずはそこから読んでみてもいいだろう。
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