第5回】ここだけ見ればOK! 日本酒を買うときにチェックしてほしいラベルの3ポイント

秋は日本酒の美味しい季節。気候も涼しくなってきたので、満月を見ながら、お店で日本酒を買ってきて自宅で一杯というのも、なかなか風流です。でも、日本酒のラベルには山ほど情報が書いてあって、自分でお酒の性質を読み解いて購入するというのはちょっと難しそう……という方も多いかもしれません。そこで今回は、日本酒のラベルのここだけ見ればいいというポイントをご紹介していきます。

ようやく暑さも和らいできて、秋になってきたという実感がでてきましたね。この季節に欠かせないのは何と言っても日本酒。春先にしぼられた新酒が夏の間に倉庫などで熟成され、まろやかになり旨味も増しているのです。そうして売られる「ひやおろし」と呼ばれるお酒は「1年のうちで最も美味しい日本酒」とされています。

でも、ひやおろしが好きだという人ばかりかというとそうではありません。

今までの連載でも紹介してきたように、日本酒には華やかな香りを持つものや、香りが穏やかだけど旨味が濃いものなど、さまざまなタイプがあります。ひやおろしもあくまでそのうちの1つ、まろやかで旨味が多いタイプのお酒なのです。そのため、一口目のインパクトではどうしても香りが華やかで味が濃いお酒に負けてしまいます。

ひやおろしなどの秋が旬のお酒は、同じ秋が旬の食べ物、例えば秋刀魚の塩焼きなどと相性が抜群だったりするのです。ひやおろしは単体で飲むというよりは、総じて食中酒の方が向いているお酒なのですね。

こういう「単体で飲む方とインパクトがある」や「食事と共に飲む方がいい」といったお酒の性質はどうやったらわかるのでしょうか。それは、日本酒のラベルを見ればある程度わかるようになっています。ただし、ラベルに書かれている情報量はとても多く、複雑です。

そこで今回は、「ラベル情報はここだけ見ればOK!」という3つのポイントを紹介します。初心者がまず最初にチェックしなければならないラベル読みのポイント、つまり味に一番大きく影響を与えている部分なので、しっかり覚えてお酒選びに活用してください。

今回は3つのポイントに合わせて、3本のお酒を用意してみました。まずはこちらのお酒です。

「湯川×仙醸 山廃純米しぼりたて生」(株式会社仙醸・長野県)は、その醸造の経緯に複雑な事情があるお酒です。長野県にある湯川酒造は、2013年2月に火事で施設が駄目になってしまい、お酒の醸造が不可能になっていました。でも、その火が出るまでに作っていた「 山廃酛 やまはいもと 」(後述)と呼ばれるものが残っています。そこで、湯川酒造の杜氏さんが、以前に勤めていた同じ長野県の株式会社仙醸に頼み、続きを醸造してもらい完成したというお酒なのです。いわば、2つの蔵の力で作り上げられたお酒なのですね。以上のことはラベルの裏面に詳しく書かれているのですが、これだけではどんな味なのかはわかりません。

2本目はこちらです。

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今宵語りたくなる日本酒のはなし

杉村啓

夏本番。暑くてのどが渇くぶん、お酒の美味しい季節です。ビールやワインを飲むのもいいけれど、日本酒はいかがですか? 自由大学で「入門日本酒学」を教え、数々の蔵元とも交流する日本酒ライター・杉村啓さんの案内で、奥が深い日本酒の世界をのぞい...もっと読む

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