女性たちはレズ風俗に何を求めている?#23

世界初の対話型レズ風俗「Relieve」のオーナー兼キャストとして活躍する橘みつさん。みつさんはその腕を買われて、ファーストレズ姉妹店の店長兼キャストととして抜擢されます。その理由はみつさんのある能力にありました。

「僕はレズ風俗始めるとき、男向けと同じ感じでいいやって思ってたけど、みつさんの話を聞いていて、ちょっと違うんだろうなって気づいた。男だったら女の子の見た目が好みで、テクニックがあって抜ければそれでいい。でも女の人はどんな人かもわからない相手に委ねるのは不安って感じだし、これがしたい、これを求めてるって実はお客さん自身でもわかってない。で、それをこっちがうまくサポートする必要があって、みつさんはそれがうまい」そういいながら、テーブルの上で手を広げる。その姿はちょっと様子の軽い稀代のイノベーターのようにも見えなくもない。

「答えを出してあげるんじゃなくて、お客さんが答えを出す手助けができる。相手が考えている間は待てるし、自分の意見も引っ込めていられる。または答えを出さないってことも、受け入れられる。みつさんのそのスキルに、ニーズはあると思うんですよね。ファーストレズの姉妹店として、心の処方箋、保健室って立ち位置でやるのはどうっすか?別に新しい何かを提供してほしいってことじゃなくて、別のHP作って独立した形で同じことしてもらうだけなんですけど。まだしばらくは反響見つつひとりでやってもらおうと思うので、キャストの管理とかしなくていいですし」

久住は普段は陽気な遊び人のようにも見えるが、人を褒めるときに言葉を尽くすし、意外とちゃんと人のことを見ている。大手ではないのに、業態として安定しづらいレズ風俗サービスでも継続して経営してこられているのは、彼のこういった人柄のせいもあるかもしれない。自分が無意識のうちにやっていたことを見抜いてくれたことは、素直に嬉しかった。思わずテーブルに前のめりになる。

「やります、やりたいです。たぶん、それに来てくれるお客さんは、一緒に自分の絡まった気持ちを考えてくれる相手を求めているんじゃないかなって。感情や欲望って、自分ひとりで見つめて言葉にするのは困難だから。それに保健室って言葉、すごくしっくりきます。保健室はふらっと来ても怒られないもんね」

わたしがレズ風俗で働いていて、どういうことをしているかを話すと、こういう風に言われることがある。

「あなたがしていることは、カウンセリングみたいなものなんだね」
または、「風俗嬢なんてやめて、カウンセラーになればいいんじゃない?」とも。

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レズ風俗で働くわたしが、他人の人生に本気でぶつかってきた話

橘みつ

世界初の対話型レズ風俗「Relieve」のオーナー兼キャストとして活躍する著者は、なぜ、レズ風俗で働くのでしょうか? お客さんの「人生のきっかけ」を共に探したいと願い、これまで200人以上に向き合ってきた彼女が、どんな人生をおくり、い...もっと読む

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