自意識過剰

バンドマンなのに革ジャンが似合わない、ロックバンドのボーカリストなのに肩書以外過剰なところがひとつもない……カッコつけてると思われたくなくてカッコつけられない! 自意識と憧れの狭間で叫ぶ! 2020年5月下旬発売、ロックバンド・フラワーカンパニーズ鈴木圭介の自意識爆発エッセイ集『深夜ポンコツ』から傑作コラムを特別公開!「たとえ今が冬だったとしても、季節は巡る。春はまた来るのだ!」

自意識過剰だと言われることがよくある。しかし、この言葉、今ひとつピンとこない。自意識はわかる。なんとなくだが、自分を意識するということなのだろう。

ピンとこないのは過剰の方。自分はロックバンドのボーカリストという肩書以外、いたってノーマルな人間である。過剰なところなどひとつもない。とりたてて背が高いわけでもなければ印象的な顔立ちをしているわけでもない。駆け足が速いわけでもなければ、スキップができないわけでもない。大食いでもなければ少食でもない。便秘でもなければ下痢でもない。アル中でもなければ薬中でもない。過剰という言葉が似合わない凡庸中の凡庸。

これ、ロックバンドのボーカリストとしては完全に失格。本来、ロックバンドのボーカリストとしては過剰であればあるほど、いいはず。いや、過剰でなければならない。

ステージの上で過剰に声を張り上げ、過剰に走り回り、過剰に聴衆を煽り、過剰に権力に牙を剥き、過剰にSNSを炎上させ、過剰に社会に絶望し、過剰に悶え苦しみ、過剰に高いところによじ登り、過剰に飛び降りたりしなければならない。ボーカリストは。

一応自分なりにやれることはやっているつもりだが、おそらく過剰には見えていないだろう。中の下くらいじゃないだろうか。ではなぜそんな中の下が自意識過剰と言われなければならないのだ。自意識中の下ではないのか? そもそも自意識過剰とは何なのだ?

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鈴木圭介
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