前回、私が息子におもちゃを無限に買い与えている理由として、息子が喜んでくれること以外にも、こんなにコスパの高いお金の使い方はないということや、快適な時間を買えるからということを書いた。それを人に話すと、「おもちゃを無限に買い与えていたら子どもがワガママになるのでは?」と訊かれることがよくある。
それについては、「子どもはそこまでバカじゃないでしょ」というのが私の考え。
というか、その「ワガママになるから与えない」という考え方って、基本的に誰が相手でもアウトなヤツだと思う。そんな理屈を持ち込んだ瞬間、あらゆる関係には亀裂が入る。
だって、たとえば自分が夫や妻(もしくは恋人)からそんなスタンスを取られたら嫌だよね。
「変にサービスをして調子に乗られると困るからさ、釣った魚にはエサをやらない主義なんだ」っていう人のパートナーになりたい人なんて、いないよね。
「ワガママになるから与えない」って、かなり相手を見くびっているし、すごく失礼で、自分勝手な対策だと思う。
ガマンをする機会はたくさんある
それに、そもそも無限に買えるわけではない。
世の中には、けっこう非売品があるし(売り物ではないオブジェや、公共のものや、その辺に置いてあった他人の私物などに子どもが目をつけてしまうことって、わりとよくある)、本人がいくら欲しがっても危ないものは買えないし、家に置くスペースが無いものなども「申し訳ないけど、これは買わない」という判断をすることがある。
だから、あえて親が、世の中の厳しさを分からせるための演出として線引きをするようなことをしなくても、自然にしているだけで、欲しいものを買ってもらえなくてガマンをするという経験をする機会はたくさんある。
例えばこの先にありそうなことだと、昆虫とかは、いくら息子が欲しがったとしても「ママにとって昆虫は、どうしても気持ち悪くて1つ屋根の下で一緒に暮らすのが無理な存在だからごめん」と断る。
ちなみに、もしも高価すぎて買えないものをねだられた場合には「申し訳ないけど、資金力が足りない」と正直に懐事情を話すし、「力不足でごめんね」と謝る。
子どもが欲しがるものを無限に買っていたら経済力が追いつかない、という家庭は多いと思うけど、それを「プレゼントは、クリスマスと誕生日だけ!そういうものなんです!」と言うのは、どうかと思う。
問題をすり替えていることに気付かないほど子どもはバカじゃないし、むしろその手の矛盾に大人の100倍は敏感なイメージがある。
そもそも、私自身は自分が欲しいものを年がら年中欲しくなった分だけ買っているのに、「まだ子どもだから」ってだけで年に2回しか欲しいものをゲットできるチャンスが無いのは可哀想すぎる。
「こういう暮らしをしている人は世の中の一握りだよ」
ただし、「こんな風に欲しいものを好きなだけ買えるのは一般的なことではないよ」ということについては、かなり早い段階で伝えておこうと思っている。