12月16日
冬って星が大きく見えない?つったらえ、私には逆に遠く見えるけど、つったのがちえで、でもなんか光はよく届く気がするんだけど、って言ったらあ、それは私も同じ、って言ったのもちえだった。
私は今、満点の星空を見ながら一人、寒空の下に立っている。
「ひかり」少し低い、けど聞き慣れた声が後ろから聞こえて、振り返るとちえが立っていた。着古したダッフルに大きめのズボン。靴は新しいバッシュ。髪は後ろだけ、すっきり刈り上げられてる。
「待った?」 「うん、かなり待った」私は少しだけ意地悪した。ちえは眉毛をはの字にして肩をすくめると、「ごめんね、これでも急いで来たんだ」と言った。
むき出しの手は赤くなっていて、筋が目立って、いかにも冷たそうだ。